美波町日和佐、ウェルかめの浜

  ビジネスホテル・ケアンズのフロントは2階。わずかな階段も気合を入れないと上れないほど足は疲れ切っていた。どうにか部屋に辿り着き、リュックを降ろす。しばらくベッドに横になってから荷物を点検したら不安的中、なくなっていたのはトイレットペーパーだけではなかった。手帳がない。それに3足持ってきたはずの靴下も2足しかない。「宿でちゃんと点検せんからや」と女房に叱られた。すんませんと謝ってみてもないものはない。しかしこれは弱った。 (さらに…)

四国の土建屋さんに感謝

 女房や娘に不思議がられるくらいぼくは毎朝快便なのだが、これが旅行に出るとまず確実に便秘になる。原因は生活のリズムが狂うことにあるのだと思うが、そもそも旅行は非日常なのだから如何ともしがたい。遍路旅もやっぱり便秘に悩まされた。体力保持のため毎日しっかり食べ殆ど毎晩おいしくビールも頂いているのに3日に一度くらいしか出ない。元々便秘癖のある女房より少ないくらいである。それが前日のへんろ転がしと山上の厳しい寒さの後遺症か、8日目の途中で突然一変した。 (さらに…)

21番太龍寺本堂にて

 へんろ宿は設備的には観光旅館と遜色ないものからお化け屋敷に近いものまで正にピンキリだが、宿側の人も含めいずれも個性的。普通の旅行では味わえない印象的なところが多い。
 第6夜の宿は第2の難所20番鶴林寺(勝浦町生名・500m)21番太龍寺(阿南市加茂町・520m)に挑む前線基地の一つ『かえで』。建物は古く女将は卒寿90歳。7種類の薬を飲み病気の総合商社と笑う。 (さらに…)