浦戸大橋遠景

 後日知ったが、この豪脚夫婦、かなりの歩き遍路が走っているところを目撃して大きな噂になっていた。

 真偽のほどは定かではないが、トレーニングのため東京から八ヶ岳の中腹に移り住み、世界各地の山岳マラソンに参戦しているアスリート夫婦とか。今回はお四国巡拝を『走り遍路』でという計画。ところが2日やったところで──つまりあの焼山寺道を打ち終えたところで──このペースではとても最後までもたないと全行程の走り遍路を断念したが、その日の調子をみながら所々走っているらしい。いやはやいろんなお遍路さんがいるものである。 (さらに…)

 31番竹林寺にて

 15日目、天気予報は雨。今日は30番善楽寺(高知市一宮)31番竹林寺(同市五台山)32番(南国市十市)を回り浦戸湾の宿まで24キロ。昨日、国分寺まで稼いで大正解。雨の中5キロの違いは大きい。

 7時、タクシーで国分寺山門前へ。暫くは持つと思っていたのに下車したとたん大粒の雨。慌ててリュックから雨具をだし着替え。集落と別れ、田んぼ道に出るや突風、横殴りの雨。体ごともっていかれそうだ。女房もよろけている。菅笠を片手で押さえ、踏ん張りながら歩く。突然左腿の付け根に電気が走る。遂に一番恐れていたことが起きてしまった。 (さらに…)

香南市赤岡、『絵金』の看板

 季節は三寒四温、ひと雨ごとに春が近づく。下着は厚手・中手・薄手の長袖と半袖1枚を持ってきたが、土佐ロイヤルホテルのスタッフに尋ねたら山用品専門店モンベルの支店が高知駅から歩いて10分ほどのところにあるという。荷物を少しでも軽くしたいので、長袖は薄手1枚だけ残し、あちこちでもらって溜まってきたパンフ類と一緒に家に送り返すことにした。 (さらに…)

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