雪渓寺の本堂前でまたまたミスター53と再会。ぼくらより一足先に勤行を終えて、これから34番種間寺に向かうところだった。「この季節、高知市と土佐市の境にある仁淀川大橋はものすごく風が強いから気をつけて。清滝寺には先にホテルに寄って荷物を預けてから行った方がいいよ」とアドバイスを頂いた。ベテラン遍路はありがたい先達さんである。
  雪渓寺を発つ頃には雨雲も次第に切れ暖かい陽が射し始めた。相変わらず足の小指は痛いものの、まずまず順調に6・3キロ先の種間寺に向けて進む。残り2キロ、突然強風が吹き始めた。天気予報の強風注意報は午後からと思っていたのに、嫌な予感がした。前日同様の向かい風。菅笠を脱って胸の前で押さえ持ち、踏ん張りながら歩くが、踏ん張るたびに小指に激痛が走る。わずか2キロに50分もかかってしまった。幸いなことに種間寺も雪渓寺同様道路と段差の少ない平地のお寺だった。お参りを済ませ、門前のヘルシーレストランで600円のカレーランチをいただき、1時間少々足を休ませてから10キロ先の清滝寺をめざす。 (さらに…)