細部まで精巧に作られているお木曳き車のミニチュア

川俣元さん

 津市香良洲町の桜町区で建設業などの「㈲リビングかわまた」を営む川俣元さん(50)は3月29日~31日にある同町の最大行事『お木曳き行事』を町内外に広くPRするため、同行事で木材を載せて曵き回す山車(お木曵き車)のミニチュアを制作。市観光協会やサンデルタ香良洲などで展示している。
 同行事は、香良洲神社の20年に一度の式年遷座(定期的に社殿を造り替える行事)の前年にあり、9つの地区ごとにお木曵き車を曳き回す。川俣さんは今回、お木曳き音頭の歌い手を務めるなど、行事を盛り上げるため尽力している。
 お木曵き車のミニチュアの制作は2年前に開始。昨春、同区のお木曵き車の制作に向け、区民へのプレゼンテーション用に縮尺模型を作ったところ、「お木曳観光PRセンター」のセンター長・太田隆雄さんに、行事のPRに活かしてはと勧められ、各地で展示を始めた。
 制作活動は、同社の一角に設けた「お木曳き工房」で早朝に行う。ヒノキなどの木材を電動の彫刻機で削り、接着剤などを使って組み立てていき、縮尺8分の1、高さ55㎝・尾木までの長さ90㎝の大きいもので完成までに2週間程かかるそう。実物と同様の材料や構造にこだわり、建築の専門技術を活かして、車輪と車軸の摩擦で独特の音が出る「わん鳴り」などを見事に再現している。
 「町外からも行事に足を運んでもらってなんぼだと思う。できる限り宣伝して町内外の皆さんに興味を持ってもらい、20年後の次回に繋げたい」と川俣さん。

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