「津駅前都市開発㈱」は、同社が運営するアスト津7階の空きテナントを『学びの場』としてリニューアル。津駅前という好立地を生かして地域の大学や同ビルに入居する企業や市民団体などが、高校生から社会人までを対象とした質の高い多彩な公開セミナーを行う。江戸時代にあった津藩の藩校の教えを現代に生かす「有造館ゼミナール」や地元経営者らによる「三重モーニング・カレッジ」など注目の内容が目白押しだ。 

 

 近年、津駅前は大規模のオフィスビル建設が続いており、テナント誘致競争が激化している。そんな中、アスト津は高い入居率を維持しているものの、将来を見据えた経営戦略が求められていた。そこで津駅前都市開発は、昨年よりビルに新たに付加価値を生み出す様々な事業を実施。具体的には、一階の空きテナントを『にぎわい交流サロン』として開放したり、映画を軸にした事業も進行中。更に行政とも企業とも違う第3セクターならではの立場から産官学連携を積極的に進めながら、地元企業との繋がりを強化。入居テナントの収益増と共に新規入居者獲得や津駅前の地域活性化を視野に入れた取り組みを行っている。
 その一環として、同社がアスト津7階で長らく空きテナントになっていた一室を『学びの場』としてリニューアル。広さは約100坪で机・椅子・マイクなどを設置し、大学・入居テナント・市民団体などが公開講座を開く。当然、単なる〝場所貸し〟ではなく、温故知新をテーマとした質の高い多彩な公開講座を高校生から社会人まで広く提供する。津市が3セクの見直しを進める中、津センターパレスやポルタひさいの先駆けとなる事業をめざす。
 今年行われる講座のトップバッターは、津藩士の子孫らによる藤堂藩五日会と同社がタッグを組み開催する「有造館ゼミナール」。有造館は江戸時代後期に開設された津藩の藩校で、日本の写真術の黎明期を支えた堀江鍬次郎や我が国の海洋測量の第一人者である柳楢悦らを筆頭に数々の優秀な人材を世に送り出している。この有造館の教えを現代社会に生かそうと月2回ペースで講座を開く。18日には作家・童門冬二氏を招き特別講演も行ったが大盛況だった。明日には第1回目の講義も行われる。
 その他にも目を引く講座としては、来月から開催される地元企業の経営者らによる「三重モーニングカレッジ」。講座運営の中心となるシニアフェローには百五銀行相談役の飯田俊司氏・井村屋㈱会長の浅田剛夫氏・辻製油㈱社長の辻保彦氏・ヤナセメディケアグループ代表の柳瀬仁氏と地元の経済界を代表する面々が名を連ねており、始業前の朝のひと時にアスト津1階のカフェ・アマーレで健康朝食を食べた後、経済・福祉・環境・文化など多彩なテーマの講座で学ぶ。双方向の学習をテーマとしているだけに貴重な意見交換の場にもなりそうだ。更に来月にはここ数年、三重大や地元企業などが連携し、津センターパレスで行っていた「地域が応援する高校生セミナー」を誘致。同セミナーの中心人物である三重大地域戦略センター長の西村訓弘教授も社会人・企業・学生が議論を交わす公開講座を開講する。1階に入居している赤塚植物園も家庭園芸ゼミナールを開くなど、テナントも巻き込みながら、魅力溢れる講座を企画している。
 また、他の大学との企画も進めており、今後も利便性を生かした様々な人が集う学びの場としての発展が期待されている。
 各講座の概要は以下…
 ▼三重モーニングカレッジ」…3月13日7時40分~8時50分(4月以降は毎月第1金曜日)」。初回講師は丸紅㈱執行役員で人事部長の葛目薫氏。参加費は6カ月分1万2000円。
 ▼第11回地域が応援する高校生セミナー…3月28日9時50分~16時15分。講師は清酒・宮の雪の宮崎酒造㈱・宮崎由至社長など。高校生対象。参加無料。
 ▼西村訓弘教授の公開ゼミナール…3月28日18時~20時(毎月1回開催)。
 ▼赤塚植物園の家庭園芸ゼミナール…年4回(6月・8月・10月・12月)。受講料7000円(4回分の材料代・資料代など)
 各セミナーの詳細や参加申込みは津駅前都市開発℡059・222・4122へ。

トロフィーと賞状を手に…前川さん

津市長賞を受賞した前川さんの作品

 津市大谷町、津駅西口前にある大川学園・三重調理専門学校5階で15日、日本・西洋・中国料理の作品展が開かれた。
 毎年、1・2年コースの全生徒を対象に、努力の成果を発表する場として行われているもの。今年は60名が参加。季節などをテーマに、旬の春野菜や海・山の幸を使い、器や飾り付けにも工夫を凝らした作品を披露した。
 また前葉津市長や調理・食品業界のプロらによる審査が行われ、1年の前川綾香さん(19)の和風・洋風のおせち料理が、見事、最優秀の津市長賞を受賞。前川さんは「カラフルな作品にしたかったので、サーモンの酢ばすや、ブロッコリーなどを使った門松を作りました。綺麗な色を出すために家で何度も練習しました。受賞はまさかと思ってびっくりしたけど嬉しい。和食の料理人を目指しています」と喜びを語った。
 そのほかの受賞者は(敬称略)…▼三重県津保健所長賞=山岡陽子(1年)▼三重県調理師連合会長賞=片出里奈(1年)▼三重県調理技能士会長賞=土居彩華(2年)▼三重県食品衛生協会長賞=大山真穂(1年)▼津調理師会長賞=橋爪裕美(1年)▼三重調理専門学校教育研修協力会長賞=森みち子(1年)▼三重調理専門学校友庖会長賞=渡邉明日香(1年)。
 また今年は三重県調理師連合会主催の「みえふるさと料理展」が同時開催。プロによる作品展や料理の試食も行われ、多くの人で賑わった。

 津市藤方の結城神社で今年も「しだれ梅まつり」が開催されている。
 南朝の忠臣・結城宗広公を主神として祀る同神社は紅白の美しいしだれ梅約300本が咲き乱れる東海屈指の梅の名所として有名。気候にも左右されるが、最も見頃を迎えるのは3月初め頃になりそうだ。梅園の入園料は大人500円、小人200円(小中学生)。
 また、同神社は宗教・宗派の壁を越えた伊勢の津の七福神の福禄寿霊場でもあり、27日11時からは七福神の他の6寺社(四天王寺・津観音・円光寺・初馬寺・高山神社・榊原地蔵寺)も集い「観梅祈願祭」を開催。本殿で7寺社の関係者たちが無病息災・五穀豊穣・必勝祈願・商売繁盛・技芸上達・延命長寿・子孫繁栄を祈願し、梅園内を練り歩く。
 問い合わせは℡059・228・4806。

[ 1 / 6 ページ ]12345...Last »