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長く使っていない鏡台の引き出しを開けてみたら、古いものが続々と出てきた。木彫りのペンダント、ブローチ、カフスボタン、写真。
外国土産の香水、オーデコロン。使わないなら人にあげてしまえばよいものを、少しだけ使ってそのままにある。練り香水の「琴」。もう何十年も前に自分で買った。好きな香りで、半分ほども使ってある。練り香水は揮発しないのだろう。今付けてみても昔と同じ懐かしい香りがする。
香りとともに、独身時代の記憶がよみがえってきた。おしゃれをした日は、耳の後ろに少しだけ練り香水を付けた。頭を動かす度に香りが立って楽しくなったものだ。もう同じ製品はないだろうと調べてみたら、同シリーズのオーデコロンが今でも販売されている。 使いかけのアイシャドウがいくつか。緑系、青系、グレー系。その時代の流行の色を買ったものの、使い切ることができず、捨てることもせず。 マスカラも数本。いったいマスカラの使い終わりはいつだろう。まつ毛が濃くならないと思って新しいものの封を開けるが、まだしばらく使えるような気もする。パウダーを使い切るのも難しい。底が見えても周囲に残っている。きっぱりと捨てられない。
私が貧乏性なのか、だらしないのか。誰でもそうなのか。鏡台の引き出しにはあまり見たくないものが雑多に入っている。 (舞)
2013年2月21日 AM 4:57