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津市は新年度予算案に平成28年度のオープンを目指す屋内総合スポーツ施設の建設費を盛り込むなど、建設への準備を進めている。そんな中津市体育館=津市本町=など、津市の既存の体育施設では障害者に対する利用料の減免制度が曖昧な形で運用されており、ソフト面での未熟さが浮き彫りとなっている。国体開催を目標とする屋内総合スポーツ施設建設を前に津市は我が身を振り返り襟元を正す必要がありそうだ。
津市体育館など、津市の体育施設を個人・団体が利用する場合には当然、利用料が発生する。団体に関しては、市が条例を運用するための内規に減免対象となる団体がリストアップされており市を始めとする地方公共団体・自治会・老人クラブ連合会などが健康増進や交流など、然るべき目的で利用する場合に制度が適応される。また、それ以外の団体に関しては管理者が必要と認めた場合、減免制度を利用できるといった旨の一文が添えられているため、現場の判断次第である程度柔軟な運用ができる。
障害者団体に関しては、リストアップこそされてはいないが、公共の福祉に寄与しているという観点からも減免対象と明記されている団体と比べても、なんら遜色は無く、苦しい台所事情で運営を続けている団体が多いことも考慮すれば減免制度の適応に異論も無いはず。しかし、現状は津市体育館を例にすると、障害者団体が直接利用を申し込んだ場合、市は「リスト外の団体は内規の〝特例〟で現場だけでは減免に値する団体か判断しかねる」という理由で減免制度の利用を積極的に勧めていない。
どんな場合も障害者団体には減免制度を適応しないというスタンスを貫くのであれば、ある意味での公平性は保たれているが各障害者団体と業務上の関わりが深い市の障がい福祉課を通じて、体育館側に働きかけをした場合には減免対象として扱っている。つまり、同じ団体が同じ内容で利用しても、ルートによって減免制度が利用できない。これでは余りに不公平だ。
これに対して県の施設である鈴鹿スポーツガーデンやサンアリーナなどの施設では、身体・知的・精神の3障害に対して、それぞれの障害(療育)手帳を所持する者やその者が関わる団体が然るべき目的で利用する場合は減免制度を適応すると規定で定めている。津市もこれを参考すれば、障害者団体に対する対応はそう難しくないはず。もちろん、それ以外の団体でも柔軟に対応すべきだろう。平成33年の三重国体開催も大きな目的として屋内総合スポーツ施設は建設されるが通例通り障害者全国スポーツ大会も共に開催される可能性は高い。津市は新年度当初予算案に同施設の建設費約5億1千万円を盛り込むなど、着々と準備を進めているが『仏作って魂入れず』と批判を受けぬよう現状を正した上で公正なソフト面での整備・運用も求められている。
2013年2月28日 AM 5:00