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原爆の被爆体験を通じて戦争の悲劇を伝えるオペラ「いのち」が今年9月28日・29日、三重県文化会館中ホールで上演されるがキャストを決めるオーディションが23日、三重県総合文化センターフレンテみえ多目的ホールで開かれた。主催=オペラ「いのち」制作実行委員会。
作品の舞台は1945年の長崎。医師の松尾邦夫は原爆投下の当日、福岡にいて難を逃れる。しかし長崎に戻ると変わり果てた街の姿に唖然とする。
松尾は病院で勤務するが看護師の一人に中沢夏子がいた。夏子は自身も被爆の後遺症に苦しみながらも、原爆症の患者達に対して献身的な看護を続けていた。やがて心が通じ合うようになる二人。しかし、松尾の求婚に対して何故か話をそらす夏子。そんなある日、夏子が病に倒れる…
このオペラは松尾の回想により夏子の被爆体験談、そして生き抜いていこうとする人々に襲いかかる戦争の悲劇を夏子の代わりに語っていく。
指揮者である星出豊氏が20数年を費やして書き下ろした台本に、津市在住の錦かよ子さんが作曲し、09年に完成。10年には長崎でピアノによる抜粋の試演会が開かれている。
上演は今夏から秋にかけて長崎、三重、群馬の3箇所・5公演が決定。星出氏自身が指揮を務め、舞台美術、照明などは日本が誇る舞台家陣が賛同、参画する。演奏は東京からのゲストに加え、三重オペラ協会、三重フィルハーモニー交響楽団など地元音楽家が総力を挙げて上演する。
オーディションには応募のあった17名が星出氏と錦さんの審査を受けた。キャストは約1カ月後に決定する予定。
2013年2月28日 AM 4:57