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隣に座ったとたん、友人が「飴ちゃん食べる?」と勧めてくれた。ありがとうと受け取りながら、「近頃は大阪のおばちゃんしてるん?」
大阪のおばちゃんのバッグには必ず飴が入っているらしい。大阪には飴メーカーが多く、また人懐っこいおばさんも多いからだという。出かける時には「火消した。鍵閉めた。財布持った。飴ちゃん持った」と確認するとかしないとか。
この、飴を人にあげるという行為は、優れたコミュニケーション手段なのだという。飴を差し出されて不快になる人はいない。突然差し出されて戸惑ったとしても、相手がコミュニケーションをとりたがっている事は理解する。「いや、飴食べないんで…」と断ったとしても、両者はすでに会話モードに入っている。 近頃、ビジネスの場で雑談の効用が見直されているそうだ。事務的で効率的な会話ばかりだと、ぎすぎすして仕事も円滑に進まない。営業に雑談をとりいれることで、売り上げが伸びたとも聞いた。と言っても、会話の第一声が難しい。天気の話、スポーツの話、当たり障りのなさそうな質問。独り言という手もあるが、相手が乗ってくれないと困る。
「飴ちゃん食べる?」は、それを簡単に乗り越えるキーワードとなる。見知らぬ人にも飴で話を始める大阪のおばちゃんたちはコミュニケーションの達人である。(舞)
2013年4月18日 AM 4:57