セアカゴケグモの巣…有毒なメス(左)と無毒のオス(右上)

 毒を持つことでも知られる特定外来生物の「セアカゴケグモ」だが、津市内でも姿を見せている。まだ目撃例も少なく、現状ではそれほど目立った数が生息していないと思われるが、暖かくなるこれからの季節にクモの動きが活発化するだけに注意が必要。全国の事例を踏まえると今後、生息域の拡大も十分考えられ、クモに出会った時に備え、市民一人ひとりがある程度の知識を身につけておくことが重要といえる。

 
 「セアカゴケグモ」は1995年に国内で初めて大阪府の港湾地帯で発見されたのに次いで、四日市港でも発見。現在、本州・四国・九州・沖縄と広範囲に生息域を広げており、県内では四日市市のほか、桑名市・松阪市・多気町などで確認されている。津市でも平成23年11月に続いて、今年に入ってからも、生きた個体が見つかっている。
 このクモの身体的な特徴は腹部の背面に赤い模様を持つメスの大きさが7~10㎜、白っぽいオスは4~5㎜。毒を持つのはメスのみで噛まれた場合、激しい傷みと共に発汗・発熱などの症状が現れる。オーストラリアでは過去に死亡例もあるため、国内で発見された当初は『殺人グモ』と呼ばれ恐れられていたが、健康な大人なら噛まれても、大事に至るケースは希。ハチ毒のように2回以上噛まれてもアナフィラキシーショックを起こすこともなく抗血清が開発されてから50年以上死者は出ていない。今まで日本では重症者も出ていないが、体力のない乳幼児や高齢者が噛まれると命に関わる危険性もあるため注意が必要だ。
 主に側溝のふた・プランター・庭石の裏側など、直射日光の当たらない場所に巣をつくり、虫などの獲物を捕らえる。そのため、ベランダに置いてあったサンダルの内側に潜んでいた個体に噛まれるというケースも発生している。ただし、クモ自体の性質は大人しく自分から人に襲い掛かることはない。
 このクモは生態系や人の生命・身体などに被害を及ぼす可能性がある「特定外来生物」に指定されており津市や三重県もHP上で注意を呼びかけている。しかし、ハチの巣などと同じく県市共に駆除は行っておらず、もし駆除をする場合は発見者の手に委ねられることとなる。その際は、絶対に素手で触れないように気をつけ市販の殺虫剤を散布するか靴を履き踏み潰す。もし噛まれた場合は医療機関ですぐに受診(可能ならばクモの死骸も持参すると医師の判断材料となる)。
 津市で最近、駆除された固体は1匹のみで同じ場所からはそれ以来、見つかっていないという。それ以前での市内の目撃報告も少ないので、大きく繁殖はしていないと思われるが自動車やその積荷に紛れ込んで運ばれることも多く、大阪府では初めて見つかった南部の港湾部から北部の都市部へと生息域を広げている。これら事例もあり、県の農林水産部みどり推進課では「今や県内のどこに居てもおかしくない」と分析する。
 在来種でもスズメバチやマムシなど強い毒を持つ生物は身近に存在しており、このクモばかりを過剰に恐れる必要はないが、クモが活発となるこれからの季節には、生息に向きそうな場所をこまめに掃除して巣を作りにくくする、居そうな場所を触る際には軍手など手袋をつけるといった対策を行うだけでもリスクは軽減できる。もしも出会った際には慌てず対処できるよう必要な知識を持っておくことも必要とされている。

 今年で創立40周年を迎えた都市環境ゼミナール=会長・伊藤達雄三重大学名誉教授=は、20日14時15分~15時半、三重大学翠陵会館2階会議室で平成25年度総会と記念講演会を開く(講演は一般公開。無料)。
 講師は国土交通省中部地方整備局の梅山和成局長。演題は「国土政策の新しい局面を迎えて」。
 問い合わせは事務局℡059・231・6403。

 隣に座ったとたん、友人が「飴ちゃん食べる?」と勧めてくれた。ありがとうと受け取りながら、「近頃は大阪のおばちゃんしてるん?」
 大阪のおばちゃんのバッグには必ず飴が入っているらしい。大阪には飴メーカーが多く、また人懐っこいおばさんも多いからだという。出かける時には「火消した。鍵閉めた。財布持った。飴ちゃん持った」と確認するとかしないとか。
 この、飴を人にあげるという行為は、優れたコミュニケーション手段なのだという。飴を差し出されて不快になる人はいない。突然差し出されて戸惑ったとしても、相手がコミュニケーションをとりたがっている事は理解する。「いや、飴食べないんで…」と断ったとしても、両者はすでに会話モードに入っている。 近頃、ビジネスの場で雑談の効用が見直されているそうだ。事務的で効率的な会話ばかりだと、ぎすぎすして仕事も円滑に進まない。営業に雑談をとりいれることで、売り上げが伸びたとも聞いた。と言っても、会話の第一声が難しい。天気の話、スポーツの話、当たり障りのなさそうな質問。独り言という手もあるが、相手が乗ってくれないと困る。
 「飴ちゃん食べる?」は、それを簡単に乗り越えるキーワードとなる。見知らぬ人にも飴で話を始める大阪のおばちゃんたちはコミュニケーションの達人である。(舞)

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