2013年4月

 今年で創立40周年を迎えた都市環境ゼミナール=会長・伊藤達雄三重大学名誉教授=は、20日14時15分~15時半、三重大学翠陵会館2階会議室で平成25年度総会と記念講演会を開く(講演は一般公開。無料)。
 講師は国土交通省中部地方整備局の梅山和成局長。演題は「国土政策の新しい局面を迎えて」。
 問い合わせは事務局℡059・231・6403。

 隣に座ったとたん、友人が「飴ちゃん食べる?」と勧めてくれた。ありがとうと受け取りながら、「近頃は大阪のおばちゃんしてるん?」
 大阪のおばちゃんのバッグには必ず飴が入っているらしい。大阪には飴メーカーが多く、また人懐っこいおばさんも多いからだという。出かける時には「火消した。鍵閉めた。財布持った。飴ちゃん持った」と確認するとかしないとか。
 この、飴を人にあげるという行為は、優れたコミュニケーション手段なのだという。飴を差し出されて不快になる人はいない。突然差し出されて戸惑ったとしても、相手がコミュニケーションをとりたがっている事は理解する。「いや、飴食べないんで…」と断ったとしても、両者はすでに会話モードに入っている。 近頃、ビジネスの場で雑談の効用が見直されているそうだ。事務的で効率的な会話ばかりだと、ぎすぎすして仕事も円滑に進まない。営業に雑談をとりいれることで、売り上げが伸びたとも聞いた。と言っても、会話の第一声が難しい。天気の話、スポーツの話、当たり障りのなさそうな質問。独り言という手もあるが、相手が乗ってくれないと困る。
 「飴ちゃん食べる?」は、それを簡単に乗り越えるキーワードとなる。見知らぬ人にも飴で話を始める大阪のおばちゃんたちはコミュニケーションの達人である。(舞)

 ◆大河ドラマのヒーロー
 来年のNHK大河ドラマの主人公は、豊臣秀吉や徳川家康に天下を取らせた智謀の名将黒田官兵衛(1546─1604)。会津若松を舞台にした「八重の桜」がようやく佳境に入った所。
 いささか早い気もするが筑前黒田家52万3千石ゆかりの福岡、官兵衛の出身地、姫路、それに黒田家発祥地の滋賀県が観行ブームにあやかり、大河ドラマ旋風である。
 大河ドラマのヒロインは幕末の篤姫、徳川秀忠の妻、お江与が脚光を浴びたので、今度は戦国武将、やはり藤堂高虎、明智光秀、石田三成と地元の人気は満点だが、津城の無いのが玉に瑕…。やはり官兵衛さんだ。
 ◆近江源氏の流れ、正義派
 官兵衛は天文15年、姫路生まれ、父は播州の豪族、小寺政職の筆頭家老、黒田職隆だ。幼名は万吉、長じて孝高、キリスト教の洗礼を受け、ドン=シメオンと名乗るが、秀吉に怒られ、隠居して如水と号した。
 ルーツは、近江源氏の佐々木一族。戦乱で播州に移り、目薬を商売にして利財を稼ぎ、小寺一族に接近、ついで織田信長に仕えた。戦略、智謀で秀吉に注目された。
 秀吉が近臣を集めて冗談めかしに「わしが死んだあと誰が天下を保つか」と云ったので、みな家康、前田利家、毛利輝元、宇喜多秀家と笑ったが、秀吉は「たったひとり天下を得る人物がいる、それは官兵衛だ」ときっぱり断言した、という。
 当時は、まだ12万石の城主で、官兵衛は秀吉の才気を痛感、隠居した。しかし関ヶ原合戦の際、伜の長政を家康の元に送り、自分は九州の諸城を攻めとった、凄い人物だ。
 ◆愛すべき智恵者
 智謀の将。しかし陰謀の謀略家では無い。キリシタン信仰をもつ正義派だ。
 若い頃、盟友の荒木村重が信長に反逆したので単身、説得に赴き、牢獄に閉じ込められ、足腰を痛めた。
 しかし、村重を助け、秀吉を感服させた。が、信長に激怒を買い、長政が首を落とされるところを秀吉に救われた。などエピソードも多い。
 そういうところに外様大名なのに、福岡城を築き、九州に大大名の地位を保った点は余人に真似の出来ない、智恵者でもある。
 また、福岡という地名も官兵衛が大名としてスタートを切った備前国邑久郡福岡村から大切にして来た〝第三の故郷〟。戦国武将にしては誰からも好かれ、愛される人物であったとも云われている。
(横山 高治 津市出身。津工業・明治大学卒・歴史作家。「藤堂高虎」「伊勢平氏の系譜」「戦国於奈津の方」「平家伝説と隠れ里」など著書多数)

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