交差点に差し掛かった時、救急車の音が聞こえた。どちらから来ているかと確かめると、ちょうど目の前で、細い道へ曲がっていった。
 私も続いて交差点に入り、とろとろと救急車の後ろについて走る。緊急車両であっても、狭い道なので速くは走らない。赤いランプを点滅させながら、安全を確認しつつ慎重に前を行く。
 救急車の後ろ姿をじっくりと見た。漢字で津市消防、そしてTSU FIRE EMSとも書いてある。かわいいイラストもある。シロモチくんもかぶっている高虎の兜をかぶったかわいい子は津市消防のキャラクターではあるまいか。
 彦根のひこにゃんに始まったゆるキャラブームは、至る所にマスコットキャラクターを生み出した。子どもっぽいと言えば子どもっぽいが、親しみやすいと言えば親しみやすい。
 何より目に留まる。ぬいぐるみが歩いていれば近寄ってみたくなる。かわいいイラストが描いてあれば、視線はおのずとそこへ行く。救急車のイラストで、病人を助けるためにがんばっている救急の仕事に注目する人が増えれば、効果十分だ。 シロモチくん、ゴーちゃん、つつみん、みすぎん。いくつかの津市キャラクターを知っているが、この救急車のキャラクターは何という名前だろう。立体化というか、着ぐるみというか、存在するのだろうか。(舞)