教育・PTA・行政・議会・企業に関わる人たちによる討論会

 津市桜橋の三重県教育文化会館で26日、青少年育成キャリア教育支援ネット主催の『地域社会の問題化…いじめを考える』公開討論会があった。後援=津市教育委員会・松阪市教育委員会・四日市市教育委員会。
 主催の青少年育成キャリア教育支援ネットは昨年4月に設立。ライオンズクラブの思春期の青少年を対象とした健全育成プログラム「ライオンズクエスト」のプログラム説明員として、長年活躍している岡田恭孝さんが代表を務めている。このプログラムによるキャリア教育では、いじめ・自殺・不登校・薬物乱用といった問題の解決手段として子供たちが生きるために必要な心の強さやコミュニケーション能力である『ライフスキル』を育むことを核としている。
 これら様々な問題の背景にはネットの普及による情報の氾濫・行き過ぎた市場主義・地域コミュニティの衰退など、大人社会の影響が大きく、学校だけでなく家庭・地域・行政・企業の5つが一丸を成って立ち向かう必要がある。そこで支援ネットでは自治会を始めとした地域の大人たちや、保護者・教育関係者らを対象にライフスキルセミナーを開いている。今回の討論会は更に多くの人たちから意見集約を図ろうという初めての試み。
 基調講演は津市立南郊中学校教頭の中川克巳さんによる「心を豊かにするキャリア教育の取組」。中川さんは、前任地の一身田中学校が保護者・地域住民・三重大と三重短大の学生による学校支援組織「サポーターいっちゅう」から支援を受けながら実践している多彩なキャリア教育を紹介。
 毎年1年生が取り組んでいる起業体験では、生徒たちがサポーターの企業経営者や大学教授から本格的な指導を受けながら独自商品を開発。その過程では「教えるのではなく学ばせる」というスタンスを貫いており、子供たちが自ら考え、行動する中で企画力、仲間や大人たちとのコミュニケーション能力が磨かれている。その結果、いじめなどの問題行動が減少し、学力も向上。教師を含め、学校全体が大きく変わっていったことを語っていた。
 その後の討論会では学校・教育委員会・PTA・市議会・企業と5つの立場で活躍する人たちがそれぞれの立場や経験から教育に対する意見を交わした。
 終了後、岡田さんは「これからも様々な方に参加して頂いて活動の幅を広げていきたい」と話していた。
 8月には修成小学校で教員や地域の人たちを対象に小学生向けのライフスキル勉強会を開く予定。

本番で力を出し切った井田選手(会場にて)

 津トレーニングセンター=津市本町。奥山公一代表=に所属する井田隆博さん(56。津市西丸之内。津市津市消防本部)が、5月18日、青森県八戸市東体育館で開かれた(一般財)日本ウエイトリフティング協会主催の『第31回全日本マスターズウエイトリフティング競技選手権大会(2014年度世界マスターズ選手権大会選考会)』M55(55歳~59歳)の94㎏級で、スナッチ80㎏、ジャーク95㎏、トータル175㎏の記録で優勝した。井田さんは昨年9月の前大会でも優勝しており、2大会連続優勝の快挙を成し遂げた。
 井田さんは高校時代は柔道、社会人になってからはフルコンタクト空手で体を鍛え、26歳から30歳まではパワーリフティングの選手として活躍。52歳からはウエイトリフティングの選手として再スタート。
 当初は、別の場所でトレーニングに励んでいたが、ワンランク上の記録を出すにはプロの指導が必要だと考え、昨年4月に津トレの門を叩いた。以降、奥山さんの的確な指導でフォームを矯正。自己最高記録トータル177㎏を叩き出すまでになった。
 因みに同大会では、学生時代に津トレに通っていた水谷一人さん(47。津市消防本部)もM45(45歳~49歳)の94㎏級でスナッチ111㎏、ジャーク143㎏で2連覇を果たしている。
 井田さんは「応援して下さった皆さんや、指導のおかげ。とても感謝しています。これからも細く、長く続けて、さらに上を目指したい」と喜びもひとしお。
 奥山さんは「大会の開催までの時間的余裕が少なく、フォームを改良する時間が短かったために調整が難しかったが、よく結果が出せて喜んでいる」と話し、愛弟子の成績を喜んだ。

同社が栽培しているヤコウタケ(右が発光している状態)副所長の森園さん

 きのこ研究の専門企業「㈱岩出菌学研究所」=本社・津市末広町=が、津市垂水にあるきのこの栽培施設で、暗闇で緑色に発光する「ヤコウタケ」の試験栽培を初実施。今月中旬に見事、子実体の発生に成功した。
 ヤコウタケは傘の直径が1、2㎝、軸が2、3㎝程の小さな、白っぽい色のキノコ。国内の自生地は高温多湿な小笠原諸島などで、夏に発生し、子実体の寿命は約3日と短い。食用ではなく鑑賞・観光用などに使われる。
 人工栽培は、ヤコウタケの成長に合わせてタイミング良く温度・湿度を変えなければならないこともあり難しく、自生地以外ではなかなか見られない。
 そこで、同社では、地元では珍しいこのきのこを、将来、様々な形で展示して子供達に鑑賞してもらおうと、今年に入ってから試験栽培を始めた。
 同研究所副所長で、パラグアイで「姫マツタケ」を育てるなど、きのこの人工栽培に携わって15年の森園智浩さん(44)が、ペットボトルで作った容器に培養土と菌を入れ、発芽させるために20度、芽を育成するときは25度などの温度や、高い湿度を、厳密に管理。その成果が実って、次々と発芽し子実体が発生した。
 森園さんは「発芽するまでうまくいくかわからなかったが幻想的な光を見たときは感動した。将来的には自生の状態と同じように、フェニックスの木に生えているところなどを子供達に見せたい」と話している。

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