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5月30日、県総合文化センターのフレンテみえ1階多目的ホールで、「21世紀を考える会・みえ」の平成25年度総会と記念講演会が行われた。
講師は皇學館大学=伊勢市=の櫻井治男教授。演題は「三重の文化的エネルギーをたずねて─伊勢神宮の式年遷宮を迎えて」。
櫻井教授は、式年遷宮が20年に一度行うと定められた理由について、次のように6つの説を紹介し、分析した。「①社殿尊厳保持説…古代、建物は時を重ねると趣きを持つと考えられていたので、この説はストレートには承服しがたい②世代技術伝承説…結果論ではと思うが、ある程度納得できる説③朔旦冬至説…20年に一度、冬至が12月1日と重なることからきているとする説④時代生命更新説…20年に一度、世代が変わるという経験則的な考え方からきているとする説⑤聖数説…古くからある20を単位とする考え方からきているとする説⑥ほしいい貯蔵年限説…保存食であるほしいいを国家が貯蔵する年限が20年間と規定されていたことに関連する説。
決定的には分からないが私としては⑤や②④が穏当かなと思う」。
また「伊勢に皆が集まってくると捉えるだけでなく、ここから発信をしていくことを、遷宮をきっかけに考えていく必要がある。
ポイントの一つは、〝循環・再生〟という伊勢の持つ知恵と、遷宮の持つ構造的な知恵。同じこと、同じものを繰り返すことには発展性や進化がないように思えるが、そのことが逆に、持続という問題を考えさせてくれるのではないか。
もう一つは、〝継承と蓄積〟。遷宮の祭は伊勢独自のものかもしれないが、世界を広く見渡すと、地域あるいは民族特性を持った祭がそれぞれにある。近代社会においてもこうした祭という行為を行っているということは、世界の色々な地域や民族の方々が、自分達の文化を持つことを勇気付けているのではないかと思う」と締めくくった。
2013年6月6日 AM 4:59
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