「常若の国 伊勢」を手に…光野さん

 NPO俳句みえ=光野及道主宰、津市久居本町=は月刊の会員向け俳句集「初時雨」の創刊20周年記念誌『常若の国 伊勢』を発刊した。A5版106頁。
 俳句みえは平成5年、旧久居市文化協会俳句部門としてスタート。単なる同人誌仲間ではなく「高齢化社会をどう過ごすのか?」という観点から話し合い、俳句の趣味を持つ仲間同士がまちの役に立つ、後世に残るものを作ることを共通の目標としている。平成10年にはNPOに組織変更し現在までに会員は240名に拡大。各地各所での吟行俳句で研さんを重ねている。
 その日々の活動を発表する場でもある初時雨は、創刊号からしばらくは全て手作りでの発刊が続いたが、号を重ねるうちに本格的な印刷物となり会員増加と共に出稿作品数や頁数も増えている。
 初時雨20周年記念事業として4月14日には伊勢市駅前公園広場にて芭蕉の「尊さに皆押あひぬ御遷宮」という句が刻まれた句碑も建立している。
 それに続く形となる今回の記念誌は全5章構成。第1章を飾るのは、三重県在住で伊勢神宮についての様々な著作を出版しているライター・千種清美さんによるエッセー『常若の国、伊勢』。8年にも及ぶ綿密な取材に基づき、遷宮にまつわる様々な行事を丁寧にレポートしているので、読むだけで10月と間近に迫った遷宮について知識を深められる。残る2~5章には、昨年の伊勢神宮献営俳句を始め、四季や県内の様々な場所をテーマにした数多くの俳句を収録している。
 また、この記念誌の発刊記念イベントとして、この本を希望者へ一冊2500円で頒布する代わりに、その全額を俳句みえが岩手県・宮城県・福島県の被災地の小学生を対象に行う「花の俳句絵復興賞」入賞者へ寄贈する。限定100冊。
 光野さんは「俳句だけでなく遷宮をテーマにしたエッセーもあるので色んな方に楽しんで頂けるはず。被災地の復興支援にご協力を」と呼びかけている
 問い合わせは事務局℡059・255・2651。