若い人の話に割りこんではいけないと自戒しているのだけれど、話題が親孝行だった。二十代三十代男子たちが目の前でそんなことを話していたら、見過ごすことができようか。
 一人が言う。「親孝行は金じゃないと思うんです。他に何でしょう」すると、「でも金はやはり大事なことや」。「それより面倒くさがらず、親と付き合うことやと思う」とも。何をしたら親孝行かと論議するのは、まだ親ではない人である。子育てしてみれば、親孝行とは何かと人に問わずとも分かるから。
 親は、子どもが元気で楽しく生きていれば、まずうれしい。そして次に、自立に向かって着実に歩んでいくことを望む。勉強やスポーツをがんばってほしいのも、それが人間形成や将来の仕事につながると思うからだ。
 「早くしなさい」「勉強しなさい」「しっかり食べなさい」「社会に迷惑をかけないようにしなさい」子育てのうちに、「なさい」を何度口にするだろう。すべて、子どもの将来を考えての言葉である。したがって、親孝行は簡単である。精神的、経済的、社会的に自立すること。自立のための準備姿勢を見せること。親が、子どもからの優しい気配りやプレゼントを喜ぶのは、そこに子の精神的成長や経済的余裕が見えるからである。
 というわけで、割り込んで一席ぶったのであった。あら、恥ずかしい。(舞)