河芸ライオンズクラブのメンバーが4日、津市役所に前葉泰幸市長を表敬訪問し、事業への協力を要請した。
 訪れたのは、後藤昭久会長、井田和男幹事、会計の樋廻巧会計と、前会長の田邉敏弘さん、前幹事の稲垣善之さんの5名。同クラブは37年の歴史を持つが、会員が減少し現在15名。会長方針として、会員拡大、会員の100%例会出席をはじめ、青少年育成事業や、地域住民に感動を与えられる事業の実施などを掲げている。
 後藤会長は献血運動や河芸町での桜の苗木植えなど、具体的な奉仕活動の実績を市長に報告した上で、例会へのゲスト出席などの協力を求めた。
 これに対し前葉市長は「呼んで頂ければいつでも行きます」と快諾すると共に、中勢バイパスや同道路に計画されている道の駅の進捗状況などを報告し、情報交換した。

着付けたモデルと共に…武藤さん(右)

 津市戸木町の美容室『サロンド・いけだ』の武藤直美さんが1日、アスト津であった第41回三重県美容技術選手権大会の花嫁化粧着付競技で優秀賞を獲得。10月22日に神奈川県横浜市で開かれる全日本美容技術選手権大会にも出場する。
 10年もの間、アメリカで生活していた武藤さんは10年前に帰国した際、日本文化の素晴しさを再認識。特に〝和〟の心が息づく着物の魅力に惹かれ、着付の技術を磨き始めた。
 その後、高い技術と共に着物に関する様々な知識が求められる厚生労働大臣認定の上級着付師や、全日本着付け技能センターの一級着付け技能士を取得。確かな技術とセンスで、様々な着物が持つ魅力を最大限に引き出しながら、多くの人たちの晴れ舞台を華やかに彩ってきた。
 過去には第39回の県大会の中振袖着付部門で準優勝を獲得。更に百日草花粧会全国きもの着付コンクールで優秀賞、第38回全日本美容技術選手権大会入賞など数々の輝かしい入賞歴も持っている。
 今回の県大会の競技でも一目で高い技術を伺わせる見事な手際を披露。厳しい審査基準をクリアしつつ、黒の振袖を上品かつ艶やかに着付け、その素晴しい仕上がりは高い評価を受けていた。
 10月の全国大会に向け、ますます着付けの技術に磨きをかけている武藤さんは「近年、成人式で振袖を着る人は多いが、結婚式はドレスが主流。これからも日本伝統の正装である着物の美しさを沢山の方々に伝えていきたい」と着物への熱い思いを語る。

手斧削りの梁づくり 木神楽の前田さんが

 伝統工法と自然素材にこだわった家づくりに取り組む『㈱木神楽』=高橋一浩代表・津市榊原町=では今ではすっかり珍しくなった伝統的な大工道具のヨキと手斧(チョウナ)で、梁の削り出しを行った。
 作業を行ったのは同社の大工・前田宣寿さん(26)。作業工程としては製材していない丸太の表面を小型の斧のヨキで、ある程度そぎ落とし、柄の曲がった鍬状の刃物の手斧で表面を少しずつ削り出しながら成形していく。その際に、不規則な凹凸のある粗い削り目が出来るのだが、独特の風合いがあり、年月を増すごとにその味わいが増していくのが魅力といえる。
 しかし、作業は相応の技術が問われる上にかなりの重労働。一本仕上げるのに熟練の職人でも丸一日は掛かってしまう。そんな理由から、高度経済成長期頃を境に建築現場から姿を消し今では技術を受け継ぐ職人はほとんどいない。
 前田さんは始業時間より早く出勤し、先輩の削った端材を参考に練習するなど、少しずつ技術を磨いてきた。この日は高橋代表の父親で現役時代には腕利きの大工として活躍した友治さんが時折、手本を見せながら、前田さんが国産のマツ材を丹念に削り出した。
 前田さんは「この技術を知らずに大工はできないと思った。弟子を取った時には教えられるようになりたい」と瞳を輝かせる。
 この後、完成した梁は風合いを生かし、あらわしの梁として建築中の家に使われた。

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