2013年8月

「平治煎餅」のTシャツを着た奥田さん(左)達

 津市美里町に拠点を置く「NPO法人サルシカ」=奥田裕久隊長=が6月から、三重の有名な店などの地域ブランドをモチーフにしたTシャツを販売する『三重ローカルブランドTシャツプロジェクト』を開始。
 地元住民一人ひとりによる観光活性化の推進が目的で、今年度は津市の地域ブランドをモチーフにする。
 デザインは、各ブランドの要望を踏まえ、津出身でそのブランドを熟知するデザイナー達と、同団体のメンバーが考案。各デザイン50着を限定販売している。これまでに「津あけぼの座」「平治煎餅」などのTシャツを発売。洒落た色使いで女性からも人気だとか。
 「10月の津まつりで、30種類を販売するのが目標。今後、デザインやアイデアで色んな人に参加してもらいたい」と奥田さん。
 男女兼用でサイズはS・M・L・XL。デザインによってはほかのサイズも。税込2400円。各店と、サルシカのHP、三重TVエンタープライズのサイト内「ミエコレ!」で販売。 問い合わせは津279・2322。留守電の場合は、電話番号・氏名を入れると折り返し電話してくれる。

 回想の鉢植えの話です。先ずは「カンノンチク」。今から40数年前、私が県庁企画部の新参ヒラ職員のころのことです。私は、体質的に酒はまったく駄目です。「飲まない」のではなく「飲めない」のです。ところが当時は、公私何かといえば酒席が多く、ために私は、酒のお付き合いができないのが苦痛で、今風に言えばウツのような状態になってしまいました。
 そんな私をあわれと思ってくださったのでしょうか、同じように酒が「飲めない」上司の一人が、ある日私を県庁玄関ホール脇に呼び出して、酒席で苦労をした自分の経験話をしてくださりながら、「カンノンチクの鉢植えは酒を好む、君の代わりに飲んでくれるから」と冗談まじりに言って、カンノンチクの鉢植えをくださいました。
 樹勢が弱った松の古木の根元に酒を注ぐと、生気が戻る話を聞いたことがあります。この上司は、三重大学農学部のご出身でしたから、カンノンチクが酒を好む話は、本当だったかもしれません。
 わが家には、酒類は置いていません。よって酒は与えなかったけれど、持って帰ったカンノンチクは、何度かの株分けを経て今は大小7鉢に増え、玄関脇の一番背が高いのは一mを超えて、わが家の目印になってます。
 鉢植えの植物は、「手を見る」というそうです。「手を見る」とは、育て主の違いによってうまく育つ場合とそうでない場合があるということとか、くだんのカンノンチクが下戸の私の手に合ったのは、あの時の上司の思いやりの心がこの鉢植えにこもっているせいでしょう。
 ついでながら、図鑑によるとカンノンチクは「竹」ではなくフェニックスやシュロなどと同じ「椰子」の仲間、鑑賞用植物として愛でられ多くの園芸品種があるそうです。
 次は「ハイビスカス」。今から30数年前、県庁で初めて窓際に席をもらった時のことです。お名前も知らない清掃のおばさんが、「お祝いに」と言って小さなハイビスカスの鉢植えを新しい脇机の上に置いて行ってくださいました。たしか、安濃町か白山町の農家の方で、おだやかな笑顔が今も目に浮かぶ優しい人でした。
 ハイビスカスは、窓越しの陽をもらって大きくなり美しい花をつけました。木が育って鉢が窮屈そうになったので、何度目かの転勤のおりに自宅に持って帰り、ハイビスカスはわが家の住人になりました。その後は、古くなった根を一年おきに削ぎ落し、木の成長に合わせて鉢を大きくして土を入れ替え、大切に育ててきました。ずいぶん大きくなってたくさん花をつけ、通りがかりの人にほめられたこともありました。
 ところが、数年前から根元のところの幹が朽ちて欠け落ち、樹勢に衰えが見え始めました。天候不順のためか今年は特に衰えがひどく、夏になっても小さな新芽しか出て来なくて心配です。あのおばさんの親切を思い出しながら、今年も花をつけるよう毎日祈るような気持ちで水やりをしています。
 専門家にたずねたところ、ハイビスカスの和名は《仏桑華》、漢名の《仏桑》に「華」を加えて名づけた由、中国では仏事に用いたかもしれないとのこと、本州では寒さのため戸外での越冬は無理だそうです。わが家では、ずっと戸外に置いていたので寿命を縮めたのでないかと思います。今年も花をつけたら、越冬対策を考えないと仏罰が当たります。
 友人、知人、そして肉親も段々居なくなり、体力も気力も日ましに寂しくなってくるこのごろです。そんなおりに、思い出が詰まった「回想の鉢植え」の手入れをしていると、理由の分からない切なさが心の中をかけ上がってきて、胸が熱くなる時があります。
(大原 久直 元・三重県総合文化センター副総長兼文化会館長) 

大空へ放たれた願いの風船

 6日、松阪市嬉野島田町の西日本セブンスリーゴルフクラブで、「第9回あしながおじさんの会・福祉支援金チャリティコンペ」があった。
 ゴルフを通じ、子供たちの豊かな成長を支援しようと実行委員会=小川益司実行委員会=を中心に毎年開いているもの。今回は県庁ОBや会社経営者など、126名が参加した。
 参加者たちは猛暑にも負けず、元気にプレーを楽しみながら、スコアを競いあった。また、津市と松阪市の6つの知的障害者施設から招いた子供たちもカートでコースを回るなど、楽しい一日を過ごし、様々な願いごとを書いた紙を結びつけた風船を空へと放った。
 表彰式で小川実行委員長は「このコンペが続けられるのは参加してくれている皆様のおかげ」と感謝。参加者から集まった募金と協賛金を分配し、各施設に5万円ずつ贈呈。各施設の代表は浄財を受け取ると感謝の言葉を述べていた。
 コンペの結果は(敬称略)▼1位…佐々木典夫▼2位…進藤勝之▼3位…宮本幹雄。

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