三重県を代表する強豪チーム「一志Beast」の部員たち

 津市と松阪市の小学生による陸上チーム『一志Beast』が数々の大会で華々しい成績を残している。チームとしては先月末の三重県小学生クラブ対向陸上競技選手権大会で悲願の男女総合優勝を果たし、個人でも所属選手の須川真衣さんが8月にあった全国小学生陸上競技交流大会で県内の小学生女子初の日本一に輝いた。東京五輪や三重国体に向け陸上界も盛り上がる中、小さな〝野獣〟たちの今後の活躍が楽しみだ。

 今年で、9年目を迎えた『一志Beast』は、05年当時市立一志中学校の教員(現美杉中学校教員)だった田中由一さんが中心となって設立。田中さんは全国的にも有名なカリスマ陸上競技指導者で中学・高校の陸上競技で活躍する選手を育てたいと、田中さんの元教え子らをコーチに迎えスタートした。運営体勢としては初代監督で現在顧問を務める田中さんから、2代目監督の太田安治さんに引き継がれ、今年より昨年の全国マスターズ800mで日本一に輝いた地守さんが3代目監督としてチームの指揮をとっている。
 設立以来、ほぼ毎年全国大会や美し国駅伝代表を輩出するなど名実共に三重県を代表する強豪チームとして活躍を続けており、現在は津市・松阪市の小学生88名が部員として所属。一志中学校と高岡小学校のグランドを拠点に日々練習を重ねている。また、チームのОB・ОGも国体やインターハイに出場している。
 最近では、8月23日・24日、神奈川県横浜市の日産スタジアムであった日清食品カップ第29回全国小学生陸上競技交流大会で、女子5年100mの部で須川真衣さんが13秒46で三重県の小学生初となる日本一の栄冠を勝ち取った。更に5年男子100mの部に出場した中垣内太智くん(13秒24)も全国3位。地監督の愛娘である晴帆さんも6年女子80mの部で準決勝進出と好成績を残している。
 チームとしても8月31日に伊勢市の三重県営総合競技場で第18回三重県小学生クラブ対抗陸上競技選手権大会で設立以来の悲願であった男女総合優勝を達成している。
 それほどのチームゆえに練習は非常に厳しい雰囲気を想像しがちだが、質の高いメニューをこなしながらも、選手全員がはつらつとした表情で練習に参加しているのが印象的。選手の保護者もコーチやスタッフとして運営に携わり、試合に勝ち抜くために必要な体力や技術だけでなく、精神的な充実感を得られる環境づくりにも注力している。
 地監督も「チームとして一番大事にしているのはスポットライトを浴びる勝者の育成をめざすのではなく一人ひとりが輝けるチームづくり」と、チームが選手たちの成長の場であることを強調する。
 平成32年の東京オリンピック、その翌年の三重国体と、これからの陸上界を担う選手たちのモチベーションを高める大きな目標が目白押し。津から全国や世界をねらう小さな〝野獣〟たちの活躍にも期待だ。