講演する奥山教授

 14日、津都ホテルで中央大学学術講演会があり同大法学部の奥山修平教授が『原発事故後の日本のエネルギー政策~各国のエネルギー政策の関連で』をテーマに語った。この日、行われた県内在住の同大卒業生らによる同大学員会三重支部総会での催し。今回で4回目。
 福島第一原発の事故より世界規模でエネルギー政策論争が活発化しているが、奥山教授はまず、その中で最も重視すべき5つの基準をあげた。その内訳は、正確なリスク評価を加味した「安全性」、独占的公益事業として透明性を確保した上で算出した「コスト」、電力の質と量や需要に併せ即した動きが取れる「安定供給」、今現在のベストと将来のベストの両方を考慮した「エネルギー政策のポートリフォ」を掲げた。
 日本では1960年に大型原子炉事故が発生した場合、最悪で国家予算の2倍の被害が出るという想定が出ていたにも関わらず、後の政府が、その想定を黙殺したことなどを指摘。廃炉に長い年月が必要で、事故の被害や補償をコストに加味しない状態でも、原子力が安い電力とはいえず、日本の原子力政策は不透明で矛盾も多いことから根本的な改善の必要性を示した。
 世界的には福島の原発事故を境に、先進諸国が軒並み原発から離脱。資源に乏しい日本では石油・石炭などの化石燃料の輸入に頼らざるを得ない状況にあるがそれらは有限かつ温室効果ガス排出などの問題もあるため、自然エネルギーの活用が課題となっている。
 その上で、風力、地熱、太陽光など各自然エネルギーの長所と短所や、石油とほぼ同じ成分をつくれる藻から燃料を製造する最新の研究などを紹介。「どの研究も実用化に時間がかかるため、当面の政策と長期的な計画の両立がエネルギー政策には大事。電力には電力会社だけでなく、非常に多くの企業が関わっているのでより広い視野が求められる」と結論付けていた。