久居が生んだ近代農業土木の権威者で、故・上野英三郎博士とハチ公の銅像を建てる会(元代表・多田滋郎氏)の構想で昨年10月20日に近鉄久居駅東口の入口「緑の風公園」に、上野博士と忠犬ハチ公の一対の銅像が建立され、除幕式が行われました。 
 銅像が立派に完成し、東京渋谷区企画部長、大館市長、津市長、津商工会議所会頭など、多数のご臨席を仰ぎ、めでたく除幕式が行われてから、早や一年になろうとしております。銅像制作を担当した日展の評議員でもある稲垣克次氏の力作は、接した人の感動を呼でおり、特筆すべきでありましょう。
 銅像完成に至るまでの間、会では一般より広く「博士と忠犬ハチ公」の詩を募集したところ、全国より素晴らしい25編の作品の応募があり、有識者の審査の結果、秋田大館、東京渋谷、津市久居が点と線で結ばれた内容の詩「ああ忠犬ハチ公よ」=森本アキラ・作詞=の作品が一席に選ばれ、作曲を元代表の兄である多田逸郎氏(東京芸大)に依頼し、楽曲が完成しました。
 建てる会の意志を受け継いだ「ハチ公の歌を歌おう会」=後藤晃一会長=も同時期に設立され、唱歌「ああ忠犬ハチ公よ」は除幕式に華をそえ、NHKをはじめ各報道機関で取り上げられ、全国に配信されました。
 今ではこのCDは国立国会図書館にも収蔵されておりますが、9月2日からは第一興商=東京=のカラオケ「DAM」でも全国配信されており、静かなブームをおこしております。
 歌おう会では、本年2月に津市内全域の小中学校及び幼稚園へ津市及び津市教育委員会を通じて無償配布を実現し、引き続き3月には、三重県及び三重県教育委員会の計らいによって県内の小中学校の全校に無償配布を実現しております。
 なお、東京渋谷区・秋田大館市・東京大学にも贈呈しており、官民一体の友好都市の先駆けになればと期待するものです。
 さらに、歌おう会では、先に発表した唱歌「ああ忠犬ハチ公よ」に続いて「博士のハチ公音頭」=作曲・平松征史氏=を近く発売します。銅像を建てる会の意志を継ぐ会としては、上野英三郎博士とハチ公の顕彰歌として制作できたことを喜ばしく思っております。
 元代表が所属する久居ライオンズクラブ=棚橋稔会長=でも、新年度の記念事業の一環として近々、市内老人福祉施設20カ所に、唱歌「ああ忠犬ハチ公よ」と合わせて、「博士のハチ公音頭」のCDを贈呈することが決まっております。
 さて、銅像を建てる会の理念はあくまでも上野英三郎博士の功績を讃えるための活動であり「ああ忠犬ハチ公よ」の歌詞はそれを地でゆくものであり、「博士のハチ公音頭」もまた又、その歌詞を基調にした楽曲で、親しみがもてる歌に仕上がっています。
 上野英三郎博士とハチ公の忠誠心を久居から全国に向けて発信し続けることこそ、建てる会の最大の目的であると考えております。「ハチ公の歌を歌おう会」は銅像建立記念事業の一環として発足しており、その理念は不動のものであり、将来において変わる事なく活動されるものと確信しています。
 後藤晃一会長も、「どれも自然に口ずさめる歌、是非多くの皆さんに歌って欲しい」と話されています。
 一度カラオケで歌ってみて下さい。
 (森本 晃 ハチ公の歌を歌おう会事務局長)