2013年10月

入れ歯への感謝を込め焼香を行う参加者

 県内の医師・歯科医師約2000人で構成する「三重県保険医協会」=津市観音寺町=が、「イレバの日」の10月8日、津市栄町の四天王寺で入れ歯供養祭を行った。 
 今まで使われていた入れ歯への感謝を込めて、1999年から毎年行っているもの。今年は26名が供養祭に参加し、389床の入れ歯が供養された。
 読経や参加者による焼香が行われたほか、倉島隆行住職が「ものを大事にすることは人を大事にすることに繋がる。歯をつくってくれたお医者さんや保険医協会にも感謝したい」などと話した。
 閉会後、同寺敷地内の入れ歯供養塔に、一部の入れ歯が埋葬された。

 12日、津市美杉町奥津のJR名松線・伊勢奥津駅隣の八幡地域住民センターで「ふるさと 唄と踊りの集い」が初開催された。
 平成27年度に全線復旧される予定の同線や美杉地域の活性化に取り組むミニ道の駅「かわせみ庵」=代表・中田かほるさん=が、同駅周辺の賑わい創出を目指して企画したもの。後援は名松線を元気にする会、音響会。
 市内外在住の約110名が出演し、美しいドレスや法被姿などで、自慢の喉や踊りを披露して観客を盛り上げた。またお楽しみ抽選会や卵のつかみどりも行われたほか、この日は同駅前で「奥津宿・街道市」も開かれており、来場者は多彩な催しを満喫していた。  出演者のなかで最高齢で「父娘坂」を熱唱した奥田善郎さん(89・松阪市)は「カラオケ歴30年です。戦争に行く前に(美杉町川上の)川上山若宮八幡宮にお参りして無事に帰って来られたので、今日も参拝したい」と話した。また中田さんは「名松線全線復旧後に皆さんが乗って美杉のイベントに来てもらえたら」と話した。

 「たこ焼きで世界中の人を幸せにします!」三重大学4年生の2月に、東京で開かれた「wiz TABIPPO」というコンテストに参加した。2200人の前でプレゼンし、自分の夢を語った。約500人の応募者から、僕はその大会で優勝した。優勝賞品は「世界一周航空券」だった。
 その頃、すでに4月から就職が決まっていたが、入社を辞退させていただき、世界を周ることを決意した。
 「バカじゃないの。」「早く働け。」「就職辞退なんてもったいない。」そんなことも言われた。でも、親は僕にこう言った。「お前の人生やから好きなように生きろ。20代は何でもやったらええねん。」
 僕の両親は今まで僕がやることをすべて認めてくれ、応援してくれた。浪人、三重大学進学、たこ焼き屋起業、休学、旅、そして入社辞退からの世界旅。すべてにYesと言ってくれた。僕はこの二人のもとに生まれて本当に幸せだと思う。
 コンテストから5カ月が経ち、旅立ちの日を迎えた。旅に必要な道具をバックパックにつめる。パスポート、服、カメラ、日用品、そして、たこ焼きの道具。大学1年の時にたこ焼き屋を起業して5年が経つ。これが今この旅に繋がっていると想うと不思議である。
 「たこ焼きを世界中で焼いて、人を笑顔にするんだ。」この大義名分のもと、僕の旅はスタートする。
 スタートから2カ月半が経った。モンゴル、中国、東チベット、ベトナム、ラオス、タイ、バングラデシュと旅をして、現在はネパールにいる。これまでモンゴル、ベトナム、タイでたこ焼きの店を出した。ラオスでは托鉢で僧侶に食べてもらった。
 「何だよこの食べ物!」「どうやって作るんだ?」「何が入ってるんだ?!」そう言って集まってくる人々。そしてたくさんの人が笑顔になる。熱々のたこ焼きを頬張り「おいしい!」って言いながら笑っている。この瞬間が最高に嬉しい。「たこ焼きは人を笑顔にする。」そう断言して日本を飛び出したけど、それは間違っていなかった。これからもいろんな国でたこ焼きを焼いていきたい。
 僕がこのような旅をするきっかけになったのが、1年前のモロッコのエッサウィラという街でたこ焼き屋を開いたことである。モロッコの道端で営業していた時、一人の男性が買いにきた。そして一言こう言った。「俺のピザ屋の前で店だせよ!」それがピザ屋のアナスとの出会いだった。それから3日間アナスの店の前で出店した。たこ焼きはとてもよく売れた。別れの日、店を貸してくれたアナスにレシピと技術と道具をすべて渡した。「アナス、がんばれよ!」って言いながらお互い抱き合った。
 あれから1年が経つ。アナスは今どうしてるんだろうって。先日、モロッコを旅されていた方からメッセージがあった。「モロッコでたこ焼き屋を見つけました。」その方のブログをみた瞬間に、ぶわーってモロッコでの記憶が蘇った。
 自分が本気でやってきたことが人を動かし、国境を越えて人を笑顔にする。こんなに嬉しいことはない。今でもアナスのたこ焼きを食べたっていう旅人にたくさん会う。「すごく売れていたよ!」「美味しかったよ!」っていう言葉を聞く度に、たこ焼き屋をやってて良かったなって思う。
  これから先、まだまだたくさんの国を旅する。たくさんの国でたこ焼きを焼く。世界中の人の笑顔が見たいから、重い鉄板かついで、世界を歩いて行きます。(森田 松之助(たこのすけ))

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