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踏切番のおじさんがいたという思い出話となった。踏切のそばに小さな小屋があって、そこにいるおじさんが遮断機を上げ下げしてくれた。よく覚えていないが、そうであったような気がする。
踏切では、今と同じようにカンカンと警報機が鳴っていたような気もする。おじさんが鳴らしたのだろうか。おじさんの仕事は遮断機だけだったろうか。
とにかく自動というものがほとんどない時代であった。電動も少なかった。商店の入り口は手で開けたし、水道の蛇口もひねるのが当たり前。おもちゃや時計などを動かすにはぜんまいを巻いた。
踏切ごとに人が遮断機を操作し、混雑する交差点では警官が交通整理をする。列車の切符の販売も、改札業務も人が行ない、給与も請求書も、そろばんを使ってパチパチと計算する。
昔は何とたくさんの仕事があっただろう。それとも、今の人が一人で行う仕事を多くの人で分け合っていたと言った方が適切だろうか。
仕事の多くが変化して、職業のいくつかが消えた。代わりに、新たな職業もできた。家事も介護も今では職業となっている。コンピュータに仕事をさせるための、プログラマーやシステムエンジニアのような職業もできた。
さて、今ある職業のうち、三十年後に残るもの、消えるものの判別は可能だろうか。うちの子の選んだ職業は三十年後もあるだろうか。 (舞)
2013年11月7日 AM 4:55