感謝状を手に、安井将さん

 津市修成町の社会保険労務士法人「中央経営労務総合センター」代表社員・安井将さん(81)が、このほど、法務省矯正局が所管する名古屋矯正管区から、篤志面接委員として長年の功績に対する感謝状が授与された。
 安井さんは昭和7年10月1日生まれ。昭和31年、24歳の若さで安井珠算学校を開校、地域の子供達に珠算を通じて簿記会計の基礎を指導した。
 その後、社会保険労務士と経営診断士の資格を生かして経営・労務コンサルタント安井将事務所を開設。昭和56年には珠算学校を発展的に閉校し専修学校・三重経済専門学校を立ち上げ優れた人材を数多く輩出。平成15年には同事務所が県下で初めて社会保険労務士法人・中央経営労務総合センターとして認可を受け、コンサルタント業務を続けている。
 一方、慈善活動として日本農業研修協力団(JAITI)の会員となり、ネパールの子供達に学びの場を提供する活動に尽力。現地での学校建設のため、平成4年から10年間、私財を送り続けて完成させ、その栄誉を称えられ平成14年にネパールJAITIより勲章が授与されている。
 一方、三重刑務所の篤志面接委員・講師として受刑者の更生を目的にした簿記・会計指導を現在まで週1回程度、年間約60回、これを10年以上にわたり1回も休まずに続け、多くの受刑者の日商簿記1級、2級、3級の各資格取得に貢献している。今回の感謝状は、この簿記・会計指導の功績が認められたもの。
 そんな活動的な安井さんだが、苦労も多かった。栄養失調から18歳で肺結核、また平成13年には不治の病といわれる悪性リンパ腫に冒された。しかし、持ち前の精神力で厳しい抗がん剤の副作用に耐え、奇跡的に回復。現在では2カ月に1回の検査を受けるだけで経過は良好という。
 平成22年8月には結婚50周年を記念し「津に何か誇れる物を作って欲しい」との思いから、津市の『ふるさと津かがやき寄附』制度に5百万円を贈っている。
 また、天皇陛下から平成23年2月に「紺綬褒章」を、同24年4月に「旭日双光章」を授与されている。
 安井さんは「81歳の私でもやる気になれば、今でも社会貢献が続けられる。受刑者であっても、いつでもやり直しができる。更生とは人間をつくること。続けられる限り貢献したい」と話している。