今年は平成18年に全国でも稀な10もの市町村が合併し琵琶湖と同等の広大な面積を持つ新津市が誕生してから9年目に当たる。合併時に10歳だった子供も来年には成人する。そう考えると時の経つのは本当に早いものである。
 その間、官民協働で様々な取り組みがなされ、市民の一体感の醸成が図られてきた。当初、合併によって地域の特色が無くなるのではないか?と危惧する声も少なからずあったが、住民らの努力で各地域に残る伝統文化の保存・継承が図られ、かえって地域コミュニティの重要性を再確認させられた市民も多い。
 中でも行政が注力してきたのが美杉地域の活性化である。津市森林セラピー基地の認定や、県宅建協会が協力する津市空き家情報バンク制度の推進による人口増加策、また、県と住民とが歩調を合わせて進めたバイパス道路整備など、合併前と後では市街地とのアクセスが段違いに改良され、津市を代表する観光地の一つにまでになった。
 一方で、これからなのが中心市街地の活性化。20年ほど前には繁華街として大いに賑わった丸之内界隈は、今では津駅周辺に持って行かれた感は否めない。しかし、岡三證券ビルの完成や、百五銀行新本館ビル2棟と三交不動産の新本社ビルの建設など平成27年には中心市街地に新たなランドマークが次々に現れ、それらによる賑わい創出が期待されている。
 さて、我社のモットーは「地域づくり・街づくりの応援団」。市民の期待に応えられる紙面づくりに邁進することが地元新聞社の大きな責務であると、改めて心に刻む。 (森 昌哉)