講演する香取さん

 19日、津市丸之内の津商工会館1階丸之内ホールで、津商工会議所の『平成25年度優良従業員表彰式』と記念講演会が開かれた。
 最初に岡本直之会頭が挨拶に立ち、祝辞を述べたほか「本日の皆様があるのは職場の上司をはじめ、同僚・部下、さらにはご家族の方々のお陰であることを改めて思い起こして頂き、機会を見つけて感謝の気持ちを表して頂きたいと思っております」などと話した。
 その後、同商議所会員事業所の従業員70名が表彰され、10年以上の勤続を称え表彰された㈱東洋軒の坂井秀樹さんら代表者に表彰状が授与された。
 講演会では「㈲香取感動マネジメント」の香取貴信代表(42)が、東京ディズニーランドでの勤務経験を交えて語った。要旨は次の通り。「サービスには2つあり、1つは、当たり前のことを当たり前にやる機能的サービス。例えば掃除・整理整頓で、東京ディズニーランドは、誰にでもできる当たり前のことを徹底的にやってみようというスタンスだった。できるかどうかはあくまで予測なので、全てはやるかやらないかだけ。やると決めて続けるには、諦められない理由があると一番良い。また商売で大事なのは、来てくれた人に出口で『また来たい』と思ってもらうこと。入口、つまり集客ばかり考えているとうまくいかない。
 もう1つはあると嬉しいサービス。お客様の仕草などから気持ちを理解し行動するのが思いやりだが、本気のスイッチがオンにならないと思いやりも発揮できない。人は何かに共感・感動すると自らスイッチを入れて本気で動くので、リーダーが誇りと使命感を持ち働く後姿を見せると、憧れを持った後輩達が真似してくれる。自分のスイッチを入れるには普段使う言葉を選ぶこと。何気なく話した言葉が耳に入り脳を刺激するので、マイナスの言葉を前向きに変えましょう。またお客様を大事にするとはどうすることかを具体的なエピソードで語り継ぐと、聞いた方のサービスに関する感性が高まります。
 大切なのは、自分で選んだ仕事をどこまで好きになれるかだと思います」。

 

 今日は味ご飯を炊いた。味ご飯という言い方は、どうもこのあたりだけの方言らしく、関西ではかやくご飯、全国的には炊き込みご飯というらしい。今回は我ながら見事な出来栄えの味ご飯で、とてもおいしかった。
 味ご飯にはゴボウである。ゴボウを入れると入れないとでは香りが違う。それからキノコをたくさん。戻し汁を使う干しシイタケはもちろん、エリンギやシメジを入れると食感がおもしろい。
 だしはひね鶏の肉。ひね鶏とは、卵を産まなくなった鶏のことで、肉は固いがうまみがある。ひねという言葉も方言らしく、転勤族の友人には通じなかった。親鶏というべきだろうか。
 ともかく、ひね鶏はおいしいのである。肉に脂が乗っているので、ご飯粒がつやつやと光る。噛み切れないほど硬かったりするが、スーパーに売られている若鳥のように水っぽくない。味ご飯のだしはひね鶏に限る。
 といっても、スーパーの肉売り場では ひね鶏を買うことができない。卵があんなに売られているのだから、卵を産まなくなった鶏もたくさん出るはずだが、食肉としての流通は少ないようだ。きっと、加工品として利用されるのだろう。
 私はひね鶏を鶏肉に強い肉屋で買ってくる。それを小分けにして、冷凍庫へ。いつでもおいしい味ご飯が炊けるという幸せをストックしている。      (舞)

紅葉が見事な河内渓谷の忍田橋

 11月17日朝、私の車のルーフに取り付けたサイクルキャリアに2台の自転車を積み込み、前回の終了地点である津市芸濃町河内の安濃ダム近辺に向けて出発。本来は前日の予定だったが、М君の母が急病で入院することになり中止。幸いにも軽症だったので心置きなく、自転車旅に出かけられた。
 県道42号に沿って安濃ダム方面へ向かうと、この日は「芸濃名所めぐり錫杖ウォーク」が開かれていたため、普段は歩行者を余り見かけないこの道のあちこちで人の姿を見かける。
 錫杖湖水荘近くのふれあい公園で自転車を降ろした私たちは、川の流れを遡る形で成覚寺へ向かう。この寺は、平清盛の孫で屋島の戦いに敗れ、那智沖で入水したとされる平維盛が河内まで落ち延びており、維盛の死後にその念持仏を本尊として開かれた清運寺が起源とされている。維盛は平家一門きっての美丈夫で大変人気のある武将。そのため全国各地に彼が落ち延びたと伝わる地が点在する。
 錫杖湖水荘より上は、台風18号の際に愛知県の母子が亡くなるなど、大きな被害が出た場所。今も路面に残る土砂の形跡がその凄まじさの一端を伺わせる。記憶に新しいあの悲劇を思い出すと少し胸が痛くなる。
 公園から5分ほどで成覚寺に着くと、ウォークの参加者たちと共に、芸濃ふるさとガイド会の方々の案内を受けながら境内を見学。本堂裏にある維盛の墓は寛政8年(1796年)の600回忌の際に建てられており、墓の横に植えられたナギの葉は平家一門が魔除けとして大切にしていたという。海運で栄えた平家の魔除けとは、この道中のお守りにぴったり。金運のご利益まであると聞き、すかさず財布に忍ばせる。
 本堂の前でガイド会のFさんと顔を合わせると早速この連載を読んで頂いたそうで「今日も自転車で回っとるの?」と声をかけて頂く。本堂内でも丁寧な解説を受けながら維盛の姿を写した木像などを拝観し、歴史ロマンに思いをはせる。
 寺を出た後は錫杖湖水荘で、芸濃特産のずいきが入った津ぎょうざで腹ごしらえ。元気が出たところで川下に向かって一気に坂道を下る。沿道の木々は赤や黄色に染まり、夏場の水不足が嘘のように豊かな水を湛えた湖面とのコントラストが美しい。県道42号を途中で折れ、同線と向かい合う形で川沿いを走る道を進み忍田橋へと至る。紅葉で有名な河内渓谷一帯でもここは特に人気のスポットで、昭和初期に架けられた小さなコンクリート橋を風に舞い散る紅葉が彩る様はまさに絶景。見頃を迎えていたこの日は、ウォーク参加者以外にも大勢の観光客が訪れており、私たちも橋のたもとに自転車を停めて様々な角度から、季節の美を愛でる。
 ひとしきり満足すると、橋を渡り、再び42号線へ。次の目的地は、ほんの少し上に戻った場所にある長徳寺だ。(本紙報道部長・麻生純矢)

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