出発を間近に控えた2台の自転車

 『自転車で津のまちをめぐろう』。そう漠然とした考えが浮かんだのは今年の初め頃。きっかけは「伊勢の津七福神」の連載のために各霊場の間を歩いて回った際に自分の知らなかった『津』の魅力にふれることができたから。
 新聞記者稼業を10年近く続けていると、地名や大体の場所を聞くだけで、市内なら大抵の場所にいけるし各地域の主な行事にもそれなりにお邪魔をしている。そういう意味ではある種の慢心があったのかもしれないが、普段車で通る道から一本奥へ入った通りには、『未知』がいっぱいということに気付かされた。一歩ずつじっくりと大地を踏みしめて歩く。すると、そこで暮らす人々の営みや、その地域特有の空気が鮮明に感じられるのだ。
 しかし、710にも及ぶ津市を歩いて回るのは時間的にも厳しい。かといって車では速過ぎる。そうくれば自ずと答えが出る訳だが、そこで出番となるのが自宅の玄関で、ほこりをかぶっていた自転車である。
 自転車で津のまちの様々な場所を巡るという企画内容が固まった時点で、この旅の同行者は決めていた。同級生のМ君だ。彼は私と同じく鈴鹿市生まれの鈴鹿市育ち。職場も鈴鹿市内で津市に対する知識というのは、全くといっていいほどない。そんな彼を、この旅が終わる頃には、それなりの〝津通〟にするのもこの旅の目的である。
 前段が長くなったが、三十路男2人の自転車旅は、11月5日の午後にスタートした。この日の空は快晴。透き通るような空気が心地良い絶好の自転車日和だ。鈴鹿市道伯にあるМ君宅に集合し、チェーンに軽くオイルを差すなど、自転車の最終チェック。ちなみに、お互いの自転車は、私がスポーティーな走り味と快適な街乗りが楽しめるクロスバイク、М君はより本格的な走りがウリのロードバイク。どちらも高価なモデルではないが、自転車初心者には充分すぎる走行性能。1日で走るのに無理のない距離を一区切りとし、次回はサイクルキャリアを取付けた車でその付近まで行き再開という形式をとるため初回は様子見も兼ねて動き易い普段着にヘルメットという出で立ちである。
 М君宅を出発した2人は本田技研工業の鈴鹿製作所などが並ぶ工業地帯のちょうど真裏を走る道を西進。鈴鹿市国府町方面から県道144号に入り、国道306号を横切って亀山市へ入るルートで最初の目的地である津市芸濃町をめざす。
 正直なところ、世のアラサー男子のご多分に漏れず運動不足が原因による〝エンジン〟の不調が少し不安だったが、想像以上に体は軽くペダルもよく回る。秋風を全身に受けながら2人の自転車は順調に津市へと進んでいった。(本紙報道部長・麻生純矢)

 24日に津新町通り商店街を歩行者天国にして行われる第34回新町フェスタの午前中のメインイベント・第12回『和船出車安濃津丸船上結婚式』で挙式するのは四日市市下海老町在住の川合功郎さん(37)・梨佐さん(24)夫妻(9時10分乗船~同30分パレード開始~10時50分挙式開始)。
  功郎さんは鈴鹿市出身。運送会社に勤める会社員。梨佐さんは四日市市出身で化学工業会社勤務。仕事を通じて知り合い、平成23年に結婚、入籍。二人の間には1歳9カ月になる愛娘・来奈ちゃんがいる。
 船上結婚式は、安濃津丸に新郎新婦を乗せ、新町通りを餅まきなどをしながらパレードした後、船上で雅楽の生演奏が流れる中、津藩祖・藤堂高虎公を祀る高山神社の多田宮司により厳かに行われる。
 尚、7時~19時は津新町通りは車両通行止め。
 問い合わせは同組合℡059・226・0363。

 津市羽所町の百五銀行津駅前支店=岩崎秀紀支店長=ロビーで29日まで、津市大門の上原小枝子さんが、自ら創作した童話を書いた年賀状やクリスマスカード30点を展示中=写真。
 これらは上原さんが、平成元年から制作してきたもの。その年の干支やサンタクロースにちなんだ心温まる童話が書かれているほか可愛らしいイラストが添えられており、来店客は足を止め、じっくりと読んで楽しんでいる。「展示作品のほとんどを一冊にまとめた本も置いてあります。できればゆっくり読んで頂ければ」と上原さん。

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