2014年1月

 三重県内企業の障害者雇用率は全国ワースト1位と厳しい状況が浮きぼりとなる中、1月24日にアスト津4階のアストホールで産官学連携による新たな雇用創出の形を模索する『ひろげよう!はたらくよろこびフォーラムinみえ』が開かれた。主催=三重大、津市、県教委、稲葉特別支援学校。企業、大学、行政がそれぞれの考えを語るだけでなく、人材育成に向けた教育機関の創設など具体的な方策も飛び出していた。

 基調講演は障害者施設の経営者革新に関する情報を発信している季刊誌「コトノネ」の発行人・編集長で㈱はたらくよろこびデザイン室代表取締役の里見喜久夫さん。演題は「障がい者雇用とメディアによる情報発信の有効性」。
 里見さんは、「障害者が働く現場を取材し、障害者が普通に仕事ができることに驚いた」と感動する一方、障害者施設の閉鎖的な空気にも問題があると指摘。
 更に取材で一般を対象に「障害者施設の商品を買いたいですか?」とアンケートをしたところ、買いたいが10・6%、物が良ければ買いたいが76%、なるべく買いたくないが13%で、買いたいの中でも家族に障害者いるが35%、37%が友達に障害者がいる人で、残りは障害者と関係のない人という結果だったことを紹介。それを踏まえ、現在、そば打ち名人と呼ばれているある施設に通う自閉症の青年が施設でつくったそばを、母親や叔母が買い、近所の人たちに配ったら次々と注文が入るようになったという事例を挙げた。そして「まずは母親など愛情がある10・6%の人に売れる商品をつくってほしい。そして、友達をつくるために社会に出ることも大事」と語った。
 最後に誌面の今後の方向性を語る中で「この10・6%に情報を届けて、どう伸ばしていくのかがコトノネの大きなテーマ。良い物を作っていくのも大事だが、障害者そのものの存在を受けとめてもらい、共にいきていく存在として認めてもらうことが大切」とメディアを通じた情報発信の重要性を訴えていた。
 続く、座談会「障害者雇用の新しい試みと経営の進化」では三重大副学長の西村訓弘教授を座長に、里見さんに加え、県内企業でパン製造販売業「㈱コーンブルメ」社長の樋口豪男さん、三重大教育学部特別支援教育准教授の菊池紀彦さん、三重県雇用経済部障がい者雇用推進監の瀧口嘉之さんが参加。
 国の定める法定雇用率が2%で、三重県内は1・6%と低迷する中、樋口さんが経営するコーンブルメは62名中の26・2%と県内企業でトップの数字を誇るが、高知県の企業を見学した際、全社員35名の内、重度の障害者が中心の30名が健常者と変わらないスピードで仕事をしながら夜勤をこなしていることを目の当たりにし、更なる可能性を感じた。「この問題の解決には、なぜ三重県が雇用率最下位になるのか、なぜ企業側が採用しないのかという事を行政が追求しなければならない」と問題提起した。
 菊池さんは三重大学内にある障害を持つ人々が職員として働く「キャンパス環境整備室」に日々の取り組みや学生との交流・授業への係わりを紹介。障害のある学生の支援を目的とした「障がい学生支援実践」という授業を全国の大学に先駆けて開講していることや聴覚障害を持つ学生への支援なども語り「障害のある学生やない学生、教員によるコミュニティを大学として作っていくことが、私たちの教育資質向上や学生が社会に出た時の大きな力になる」と障害者との日常的な交流が社会を変えるきっかけとなると示した。
 瀧口さんは業種別での雇用状況など詳細なデータを基に県内の障害者雇用の状況を分析。社内に障害者に任せる適当な仕事がなく従業員への理解が進んでいないという企業側の実情を解説。平成26年度に県総合文化センターに開業予定の「仮称・ステップアップカフェ」では障害者がいきいきと働きながら社会で働く準備や必要な能力を身に付けたり、授産施設が作った商品の販路拡大などを想定している事などを説明。
 様々な意見が交わされる中で樋口さんは「会社の欲しがる人材を育てなければいけないが現状の特別支援学校の教育ではそこまで手が届かない。支援学校を出た後に社会に出る基本姿勢を学ぶ学校が絶対に必要。それは三重大しかない。そうすることによって県や企業も係わり易くなり我々が実戦部隊となって動ける。そのために産官学の連携が必要」と具体的な解決策を提案し、注目を集めていた。

津西LCメンバーの前でプレゼンするボラ団体の代表者(津都ホテルにて)

 津西ライオンズクラブ(以下LC)=滝澤多佳子会長=の創立20周年記念事業の一つ、青少年ボランティア団体助成事業の審査会が23日、津都ホテルで行われた。
 同事業は、日頃から地道に活動している青少年のボランティア団体を顕彰し、資金助成するもので、ボランティア活動が各方面に周知され、理解と協力の輪が広がること、助成資金の有効活用により活動が一層発展すること、そして青少年健全育成の一助になることを期待するもの。助成総額は200万円。
 この日は、書類による1次審査を通過した10団体のうちの9団体が出席(都合により、残る1団体は2月13日に審査)。同LCメンバーらの前で、プロジェクター画像や写真パネルなどを駆使しながらプレゼンテーションを実施。1団体につき5分の持ち時間内で活動内容のPRや助成金の使い道などを説明したほか、プレゼン後に出されたLCメンバーからの質問にも的確に答えるなど、年齢以上のしっかりした受け答えにメンバーらは感心していた。
 助成金200万円は、今回の審査をもとに10団体への配分を決定し、3月29日の20周年記念式典の場で報告・表彰される。 
 1次選考を通過した団体名と所属または学校名は次の通り。
 ▼津商ボランティア同好会(津商業高校)▼高田短期大学ボランティア部(高田短期大学)▼津市ジュニアリーダー連合会(津市こども会育成者連合会)▼電子研究部(津工業高校)▼仏青インターアクト部(高田高校)▼ボランティアサークル(三重短期大学)▼セントヨゼフ女子学園高等学校・中学校学園会(セントヨゼフ女子学園高等学校・中学校)▼ぞくよん(三重大学)▼めばえサークル「びわの実」(三重大学)▼ひとと樹(三重大学)。

 任期満了に伴う津市議会議員選挙の投開票が26日に行われ、定数36人に現職30人、新人10人の40人が立候補。激戦の末、4年間の議会を託す顔ぶれが決まった。
 ◆津市議会選挙(投票率51・16%)太字は当選者。
川崎正次 4722無現③
田矢修介 4039無現③
辻美津子 3931無現③
横山敦子 3882公現③
杉谷育生 3825無現③
堀口順也 3750公新①
岡本知順 3736無現③
加藤美江子3734公現③
大野 寛 3513無現③
八太正年 3487自現③
青山昇武 3441公現②
佐藤有毅 3379無新①
福田慶一 3377無現②
倉田寛次 3249無現②
村田彰久 3229自現③
川口 円 3227無新①
藤本智子 3204共現③
川口和雄 3177無現③
渡辺晃一 3174無現②
小林貴虎 3108無現②
岡 幸男 2917無現③
岡村 武 2834無現③
田村宗博 2775無現③
田中千福 2752無現②
山崎正行 2740自現②
桂 三発 2638無現②
岩脇圭一 2555無現②
豊田光治 2550共現③
田中勝博 2510無現③
中村勝春 2432無現③
伊藤康雄 2416無現②
西山実江 2172無現②
中川民英 2172共新①
長谷川幸子2138共現②
長谷川正 2122無新①
坂井田茂 2075無新①
伊藤晴茂 1794無新 
佐々木俊夫 844無新
小林喜久雄 568無新
石川 剛  277無新

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