「作品一つ」 170cm×262.5cm 1963年

 津市大谷町の三重県立美術館の県民ギャラリーで、昨日22日から26日までの9時半~15時(最終日は16時終了)、『追悼 中野英一展』が開かれている。主催=同展実行委員会事務局=島橋宗文委員長。
 中野さんは1926年、伊賀市生まれ。45年頃から絵を描き始め、三重県展で議長賞・知事賞・中日奨励賞、二紀展で褒賞・佳作賞・同人賞・同人優賞などを受賞。また77年に二紀会会員になり80年に三重支部長に就任。全国で個展を開くなど、画家として活躍したが、2005年2月に逝去。遺作は大半を抽象作品が占める。
 作品は鮮やかな濃いブルーを主とした作品と、単調な淡いブルーの作品に二分され、視覚を超えた幻想的な作風は観る人の心に響くと評価が高い。
 一方で、ステンレスなど金属を素材としたレリーフ状の作品からは、シャープで鋭い輝きを放ち、その存在感は驚異的ですらある。 今展は、絵や仕事を通じ中野さんと親交のあった島橋さん、二紀会会員の上田保隆さん、三重画廊店長の山本賢司さんが実行委員会を組織し、昨年から準備してきた。昨年7月には遺族の協力を得て、三重画廊で12号までの小品38点を展示販売し、今回の展示会の開催費用と図録製作費を捻出した。
 会場ではP30(65・6㎝×91㎝)からS100(162㎝×162㎝)の大作をメインに油彩・ステンレス・アクリルの全37点を出品している。
 実行委では、「常に新しい絵画を模索し、純粋な作家精神を貫いた孤高の人、中野さんの作品を鑑賞してください」と話している。
 尚、会場では記念の図録を税込み1000円で発売している。
 問い合わせは、三重画廊℡津225・6588。

吉野副会長(左)から目録贈呈

 三重県生命保険協会=川島光美会長=が社会貢献活動の一環として、加盟16社の社員対象の募金などで集めた浄財20万円を、ボランティア団体の助成などを行う三重ボランティア基金に寄付した。
 17日、県社会福祉会館で同協会の副会長・吉野充宏第一生命保険㈱三重支社長が、同基金の古庄憲之副理事長に目録を贈呈し、「お世話になっている地域の人にお返しできれば」と話した。また2人は近年、介護職を志望する若者が少ないことに触れ「大変だがやりがいのある仕事なので、若い人にも目指してほしい」などと話し合った。

今井義夫さん(左)と小山貞介さん…実行章伝達式で

 津市安濃町の今井義夫さん(88)と、10年来の友人である津市小舟の小山貞介さん(68)はそれぞれ、似顔絵描き・マッサージという特技を活かして長年、高齢者施設などでのボランティアに尽力している。
 そして、このたび、「小さな親切」運動三重県本部=代表・伊藤歳恭百五銀行副頭取=からその活動を称えて、同運動実行章(表彰状・バッジ)が贈られた。
 今井さんは、独学で絵を学び、絵手紙講師を務めた経験もある。現在、市内の老人ホームや小学校などで水彩絵の具を使って児童やお年寄りらの似顔絵を描くことで、人々の交流の場を創り、幅広い世代から好評を得ている。
 また小山さんは、自身の体の調子がマッサージで良くなったのを機に施術技術を学び、30年程前からボランティアを開始。高齢者施設や、市内外在住の高齢者の自宅などを訪問し、多い日で一日十数人をマッサージしているそう。
 さらに、リリアンで手作りした額縁をプレゼントするなどして、お年寄りから感謝されている。
 2人は一緒にボランティア活動をすることもあるという。17日、ホテルグリーンパーク津で開かれた同運動実行章伝達式で、今井さんは「ボランティアは自分が楽しいからしている。実行章がもらえてびっくりした」、また小山さんは「このような立派なものをもらえると思っていなかったので嬉しい。これを機会に、また大勢の人に喜んでもらいたい」と笑顔で話した。

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