2014年1月

薪ストーブ設置で施設の魅力をアップ

  津市美杉町太郎生1878─2にある滞在型市民農園「城山クラインガルテン」がこのほど、国の支援を受け、全27棟に薪ストーブを設置。今まで以上に魅力アップさせ、二地域住居を考えている都市部の住民の利用促進を狙っている。
 同施設は98年5月、旧一志郡美杉村時代にオープン。ホテルのように宿泊するのではなく、ラウベ(休憩施設)付き菜園を年間使用料を支払って借りる方式。都市部の住民が、家族やグループで週末に雑踏から抜け出して自然の植生や鳥のさえずりが聞こえる田舎に出向き、家庭菜園を楽しむというもの。
 農水省の「山村振興等農林漁業特別対策事業」を利用し、国、県、旧美杉村と地元の農家9名の共同出資会社「美杉倶留尊高原農場」が出資。総額2億円で完成させた。
 1区画平均60㎡の農地と美杉産の杉材でつくられた菜園付きのラウベ(約43㎡。キッチン、バス、トイレ完備で、1階に1部屋と寝室として使えるロフトがある。水は専用の井戸水を使う)がセットになっている。
 今回の薪ストーブの設置は、「太郎生の美しい棚田・里山を生かした地域づくり推進委員会」=水井達雄会長、会員17名=の活動の一環。里山整備で伐採した木材などを資源再生可能エネルギーとして活用し、同クラインガルテンの魅力アップを図ると同時に、薪を定期的に販売するなどで、所得向上と雇用促進に繋げるのが目的。農水省の「平成25年度都市農村共生・対流総合対策交付金事業」を受けている。
 現在、利用者を募集中。ちなみに1区画の年間使用料は税込み52万5千円。
 今回、薪ストーブ設置を機に「田舎暮らし体験会」も開催する。日時は1月18日・19日・25日・26日・2月1日。当日は薪ストーブ体験や施設見学、地域の自然資源の紹介などがあり、田舎暮らしの魅力に触れることができる。
 参加希望者は?273・0770、FAX059・273・0772・メールinfo@mie-inaka.comで連絡後、9時~16時の間に参加。
 問い合わせは「太郎生の美しい棚田・里山を生かした地域づくり推進委員会」
事務局・美杉倶留尊高原農場℡059・273・0770へ。

美しいハイビジョンで熊野古道を紹介

萩本欽一さん

松平健さん

 三重テレビ放送は開局45周年記念番組として「紀州山地の霊場と参詣道」世界遺産登録10周年特別企画『熊野古道~お伊勢さんからもうひとつの聖地へ~』を制作。3月21日の第1話「神宮~新たな20年の出発」を皮切りに、毎月第3金曜20時~20時55分(再放送は毎月第2金曜20時~)、全10話シリーズで放送する。 昔から「伊勢に七度、熊野へ三度」と言われるように、人々は幸せと心の安らぎを願って伊勢神宮と熊野三山へ詣でた。
 伊勢から熊野への山道は険しく命がけの旅だったが旅人の切れ目がなく行列ができたことから「蟻の熊野詣」と呼ばれたほど。
 その熊野古道が「紀州山地の霊場と参詣道」として04年、世界遺産に登録され、今年はその10周年に当たることから、同局が昨年に制作・放送し好評を得た伊勢神宮式年遷宮特別番組「お伊勢さん」に続く新シリーズとして企画した。
 式年遷宮で社殿や神宝などが新調され、新たなスタートを切った伊勢神宮を見つめ直し、神宮の参詣道、伊勢路から峠を経て紀伊山地へ向かい、熊野速玉大社、熊野那智大社、熊野本宮大社など、神々の聖域に美しいハイビジョン映像で迫る。
 また、高野山・空海の密教、吉野・大峯山の修験道など、日本人の心のよりどころとなる聖地を巡り、同じく世界遺産に登録されているスペインの巡礼道も紹介する。
 監修は哲学者で文化勲章受賞者の梅原猛氏。音楽は三重県明和町出身の作曲家・長岡成貢氏。ナレーションはみえの国観光大使の萩本欽一さん。
 出演者も豪華な顔ぶれ。俳優の松平健、歌舞伎役者の市川猿之助、女優の壇ふみ、俳優の米倉斉加年、雅楽師の東儀秀樹、俳人の黛まどか、舞台俳優で熊野市観光大使の夢輝のあ、ほか各氏を予定。
 三重テレビのほか、関東、関西、BSなど全国各地で放送する予定。
 問い合わせは三重テレビ放送編成部℡津223・3356。

津城跡の北面

 1月1日より、津市のふるさと納税制度「ふるさと津かがやき寄附」の使途に「津城跡の整備」に関する項目が盛り込まれた。この項目宛てに集まった寄附金は独自の基金として積み立てられていくが、これから津城復元を具体化させていくために、民意の盛り上がりを示す重要な指標にもなる。寄附額や所得に応じた税金の控除もあり、少ない負担でより効率的な寄付ができるのも特徴。記者も実際に手続きを行ってみた。

 元々、「ふるさと津かがやき寄附」は納める際に希望する使途という項目があり、その中に「津城跡や北畠家氏城館周辺などの歴史文化を未来に伝えるまちづくり」という項目があったが、この1月からは、更にそれを細分化する形で「津城跡の整備」と「多気北畠氏城館跡周辺のまちづくり」というより具体的な使途が加えられた。この2項目への寄附はそれぞれ独立した基金として積み立てられ、特化した形で使われる。
 この項目新設のきっかけは先月、『NHK大河ドラマ「藤堂高虎」を誘致する会』、『津市議会お城をいかしたまちづくり議員連盟』、『藤堂藩五日会』、『ときめき高虎会』が来たるべき津城復元時に向け、寄附者の意向が、より明確に反映される受け皿の創設を前葉泰幸市長に要請したこと。
 築城の名手として知られる津藩祖・藤堂高虎公が大改修を加え、自らの居城とした津城は広いところで幅100mに及ぶ堀と高石垣、更に鉄門と多門櫓が本丸を取り囲む難攻不落の要塞でありながら、太平の世には政庁として優れた機能性を誇っていた。その素晴らしさは国内城郭研究の第一人者である広島大学大学院の三浦正幸教授をして「江戸城や大坂城など、江戸幕府の権威を示す大城郭の規範となった天下の名城」と言わしめるほど。更に津城は図面、石垣、古写真と文化庁が定める城郭復元の基準を満たしている。
 前述の4グループが復元の第一歩として提案しているのは、一般的な城の天守閣に匹敵する大きさを誇る丑寅櫓と戌亥櫓とそれを結ぶ多門櫓で構成された北面部分。三浦教授の試算によると費用は6億円程度という。現時点で前葉市長は、基金の使い道はあくまで整備と慎重な姿勢を見せており、復元は今後の盛り上がり次第といったところ。つまり、この基金にどれだけ寄附が集まるかが民意の高まりを示す重要な指標になることは間違いない。
 そこで記者も早速年明け早々、実際に寄附の手続きを行ってみた。まずは検索サイトで「津市 ふるさと納税」と入力し津市の「ふるさと津かがやき寄附」のページへ。オンライン申し込みのバナーをクリックし、氏名・住所・寄附する金額など必要な項目を入力。希望使途は「津城跡の整備」をチェック。更に1万円以上の寄附で、三重テラスの商品券を含む津市の特産品を10種から1つもらえるのでその項目もチェック。入力はあっという間に完了した。後日、市役所から送付されてくる納付書に従って入金すれば手続きは全て終了。オンライン以外では、市役所4階の財政課に連絡をすれば必要書類を送ってもらえるほか直接、手続きもできる。
 ふるさと納税制度の特徴として、納付額や所得に応じた所得税と住民税の控除が受けられるため、額面よりも少ない負担で、効果的な寄附ができる。目安だが、年収500万円で夫婦と子という家庭ならば、3万2千円の寄附で3万円の控除がある。年収・寄附額・家族構成などで変動するが多くは、実質2千円程度の負担ですむ。ただし、控除を受けるには市役所が発行する寄附の受領証明書を基に、確定申告を行う必要があるので要注意。
 まずは地元の津市市民が一丸となって盛り上がり、全国の城郭ファンなども巻き込みながら、津城の復元を実現させていきたい。
 制度についての問い合わせは財政課財務担当℡059・229・3124。

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