2014年2月

メイプルリーフのメンバーたちとパッチワークの作品

 津市大谷町の県立美術館県民ギャラリーで今日27日から3月2日の9時半~17時(最終日は16時まで)、パッチワーク教室メイプルリーフ=同市高茶屋小森町=による「パッチワークキルト展」が開かれる。
 同教室はオープンして今年で20年目。第1・第3火曜に開かれ、40代~70代の生徒10名が講師の小久保京子さんの指導のもとで作品作りに意欲的に取り組み、楽しんでいる。
 作品展を開くのは今回で5回目で、大小のタペストリー80点と、バックなどの小物30点を出品する。おひな様をはじめ、四季を感じるテーマで丁寧に作られた作品が揃う。
 小久保さんは「一つひとつの作品に、作者の物語があるのでそれを感じて頂けたら」と来場を呼びかけている。
 問い合わせは小久保さん℡090・8951・5364へ。

太鼓の演奏体験を楽しむ児童

 19日、津市納所町の市立安東小学校体育館で、3~6年生88名を対象に能楽体験鑑賞教室が開催された。
 (公財)岡三加藤文化振興財団=津市中河原=が助成している能楽大倉流小鼓方十六世宗家・大倉源次郎さん=東京都=と、県教育委員会の共催。
 児童・生徒に能楽師から専門知識を教えるだけでなく、仕舞や楽器演奏の体験を通じて、能楽の真の楽しみを知ってもらうのが目的。2002年から毎年、津市や松阪市をはじめ県内の小中高校生を対象に開いており、これまでに1万人以上が受講している。
 今回は、大倉氏ら5名が講師を務め、能を大成した観阿弥は伊賀上野で生まれたという伝説を紹介したほか、謡・笛・小鼓・大鼓・太鼓による囃子を披露。子供たちは、迫力満点の演奏に魅了され、大きな拍手を送っていた。
 また、児童がグループに分かれ、大倉さんらの指導のもとで各楽器の演奏体験を楽しんだ。太鼓演奏に挑戦した児童は、真剣な表情で、構えの姿勢や打ち方を教わり、実践して美しい音を響かせていた。
 笛の演奏を体験した5年の石川巴菜さんは「リコーダーと違い、息を吹くのが難しい。能楽師の演奏は、普通の音楽と違って勢いがすごかったです」と話した。

「柳谷の貝石山」

国道165号から見上げる青山高原

 2月4日の11時頃、自転車の旅5日目。津市美里町穴倉から出発。前回は長谷山が中心だったため、美里町内を散策していく。
 この日の最終目的地は長野峠。県道28号をまっすぐ南下して美里総合支所下の交差点から国道163号を伊賀方面へと西進する。
 伊賀街道をルーツとするこの道はトラックなど大型車の交通量も多い。自転車は片側1車線の車道上を走るので、いつも以上に気を引き締めなければと思う。
 少し進むと「柳谷の貝石山」と書かれた看板が見えた。前を走るM君は、よほど気になるらしく看板の指し示す方向へと振り返ることなく走っていく。仕方なく私もその後を追う。
 脇道から2、3分ほど進んだ集落の奥にある貝石山は、三重県指定の天然記念物。せり出した岩の下には古い地層がむき出しになっている。この地層は一志郡層と呼ばれ、約2000万年前の新生代第3期のもので、海底に堆積した地層が隆起して今の姿になったらしい。アカガイ・ホタテ・カキなど、海に生息する貝類の化石が見つかっている。こんな山里で貝の化石なんて、なんとなくメカニズムを理解しているつもりでも、自然の神秘を感じずにはいられない。
 自転車を停め、地層を眺めながら、のんびりそんなことを考えていると横から「そう簡単には見つからないか」などと軽い舌打ちまじりの声が聞こえる。そちらに目をやるとМ君がまるで少年のように瞳を光らせながら地層の前を何度も行ったり来たりして、化石を探している。どうやら本気のようである。
 結局、化石は見つからずM君は少し残念そうな様子だったが再び、国道163号に出て長野峠をめざす。峠が近づくにつれて少しずつ、青山高原にそびえる風力発電施設の姿が大きくなってくる。
 無数の巨大風車を初めて目にしたM君は興味津々の様子。「今日はあそこまで登るのか?」と訪ねてくるが「いずれ、ね」と含みを持たせた言い方で返す。密かに思い描いている企画はあるがまだ明かさない。
 その後、北長野、平木の集落や、三重交通のバス車庫を右手に見る形で自転車を進める。坂道はきつくなるばかりだが「今日こそは登りきる」と心の中で強く念じながら、ギアを目一杯軽くし、必死にペダルを回し続けた。(本紙報道部長・麻生純矢)

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