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先日、登山家・野口健さんの講演会を取材したが、大変印象に残っている。
エネルギーや環境についての内容だったのだがエベレストや富士山での清掃活動や、子供たちを対象にした環境教育に取り組む立場上、原発問題への質問を投げかけられる機会が多いという。しかし、賛成か反対の二元論でしか意見を求められず、どちらかを即答しないと痛烈な批判を浴びてしまう。それに対し、一人の人間の中でさえも多種多様な考え方が混在しているのに、二元論で答えが出る訳がないとした上で「安易な色分けが社会に自ら限界をつくっている」と反論していた。
未だに終息の見えない福島第一原発の事故の問題などから、原発再稼働への懸念が大きいのはわかる。だが、火力発電への依存によって貿易赤字が拡大しているのも事実で、国民生活に大きな影響が出る可能性も高い。 早期の脱原発も不可能ではないだろうが、相応の痛みに耐える覚悟は必要だ。原発は嫌だが電気代が上がるのは困るし、便利で豊かな暮らしは何も変えたくない。そんな甘い考えは通用しない。
間もなく8%となる消費税についてもそうだ。増税は嫌だが手厚い社会保障は維持してほしい。これも無責任だ。
野口さんは「エネルギー問題は落としどころ」とも語り、最も小さな負担で最も大きな効果を得る解決策を模索することの重要性を訴えていた。
この考え方は全ての事柄に当てはまる。我々は目の前の現実から逃げずに、正しい〝落としどころ〟を見極める責任を背負っている。講演を聴きながら、改めてそれを実感した。 (麻生純矢)
2014年3月20日 AM 4:56
2014年3月20日 AM 4:56
地域活性化や観光推進などを目指して昨年発足した『中伊勢温泉郷観光推進協議会』に加盟する津市・名張市・伊賀市にある全8カ所の温泉宿を紹介するコーナー(不定期連載)。全加盟宿の日帰り温泉が利用できる共通入浴手形を使い、津市内5ケ所の名湯を巡る(担当=本紙・小林真里子)。
初回は、津市半田にある地底の楽園 磨洞温泉「涼風荘」。
同手形で入れる「ガーデン風呂」は温室内にあり、豊かな緑を眺めながら寛げる。
源泉は「白山温泉」と「新美里温泉 長寿の湯」で、いずれもアルカリ性単純温泉。
肌の手触りが保湿クリームを塗ったようにつるつるになり、体の芯から温まって心身の疲れが癒された。
また館内には、地元の特産品の磨き砂を採取するために掘られた洞窟を利用した宴会場や、お食事処「半田村」があり、三重の山海の幸をふんだんに使った会席や定食などを楽しめる。 代表取締役の伊藤真司さん(47)は「アットホームで田舎に帰ってきたような自然なおもてなしができれば。共通入浴手形を持って、広域のプチ旅行を楽しんでほしい」と話している。
同館への問い合わせは☎津228・8413へ。
2014年3月20日 AM 4:55