募金箱とチラシを手に…城代家老・福井さん

  「同じ藤堂高虎の城として津城復元を応援したい」と、20日から伊賀上野城天守閣1階に『津城復元募金箱』が設置されている。
 伊賀上野城と津城は、徳川家康が最も信頼した大名・藤堂高虎公が、慶長13年(1608)愛媛県今治市から伊勢・伊賀に入府し、各地における大坂包囲網の天下普請が一段落した慶長16年に既存の城を築城の名手の技術の粋を集めて大修築した城。
 約30mの高石垣で有名な伊賀上野城は五層天守建築中に暴風雨に襲われ倒壊。再建中に大坂夏の陣が終わりもはや不要として中止されたが、昭和初期、川崎克(1880~1949)が木造での復興を志し、私財や市民寄附、熊野市の林業家の支援を受け、昭和10年(1935)竣工。白壁が美しく鳳凰の飛ぶ姿に似ているとして『白鳳城』の愛称で親しまれており、来年復興80周年を迎える。
  津城は2007年、古図面が県庁にあることが明らかになり、本物が復元できることから復元運動が勢いづき、市民団体からの要望を受け今年元日より津市がふるさと納税『ふるさと津かがきやき寄附』の使用目的の新項目として津城復元募金の受け皿になる『津城跡の整備』を開設。これを受け関係5団体が今月1日『津城復元の会』を設立し、『かがやき寄附』への寄附と募金箱の2本立てで募金運動を開始した。
 この動きを新聞で知った伊賀上野城城代家老こと公益財団法人伊賀文化産業協会専務理事・福井健二さんが、NHK大河ドラマ誘致運動や高虎研究で旧知の津城復元の会・西田久光会長に連絡。「津城の建物が復元されたら伊賀上野城と共に藤堂の両方の城が観てもらえる」とエールを送り、天守閣内への募金箱設置が決まった。
 西田会長は「募金運動は始まったばかり。建築総工費試算6億円まで道程は遠く、一定の額が積み上がるまでの基礎づくりの期間が一番苦しい。スタート間もないこの時期の伊賀上野城からの応援は非常にありがたい」と感激している。
  〈高虎展1日開幕〉
 なお、伊賀上野城では4月1日から12月28日までのロングランで『藤堂高虎展~出世物語~』を開催。高虎遺品展示や甲冑無料試着(土日祝のみ)がある。
 4月6日にはゆるキャラ『た伊賀ーくんお披露目会』=①11時②13時半開始=も開き、津の藤堂とらまる、高虎公生誕地・甲良町のとらニャン、大垣市のおがっきーなど9体が友情出演。津の甲冑隊も馳せ参じる。