5日に行われた竣工式の様子

 津市あのつ台の工業団地、中勢北部サイエンスシティに㈱てしおフーズ=斎藤泰郎・代表取締役=が進出。5日、工場の竣工式が行われた。
 同社の本社は鈴鹿市中旭が丘。平成20年に創立。資本金800万円。年間売上高は約4700万円(平成24年10月)。従業員は平成24年9月現在で19名。
 同社の前身は㈱ベタニア給食。高い品質・安全な食材を使用し、主に津市内の福祉施設(ベタニアハウス)で1日約300食の給食業務を行っているが、昨今、福祉施設をはじめ、企業などで出される給食や弁当に使う食材に対する「安心・安全」への需要が増大。市場もこれに伴って成長し、同社の業績も拡大している。
 そこで、平成25年2月に社名を㈱てしおフーズに変更。福祉施設、企業はもとより、個人への給食、食事の提供など、今後の事業拡大を見据え、交通の利便性の高さや、周辺環境に優れた同工業団地に調理施設などの工場と事務所を新設したもの。
 進出場所は流通区域の約254坪。竣工した新工場「てしおフーズあのつ台本社工場」は最新の設備を持ち、1日3000食を生産できるが、設備を増設すれば1日6000食の生産も可能になる。社員約20名(うち10名は新規採用)。
 竣工式には葛西豊一・津市副市長をはじめ関係者約30名が出席。津豊ヶ丘キリスト教会の服部滋樹牧師が司式となりキリスト教式で挙行。式で斎藤社長は「9月に1日1500食の受注を頂いている。大量に調理することになるが、これまで通り、一食一食心を込めて作っていく」と挨拶。
 式終了後は、新工場内の見学も行われ、出席者らは真新しい最新設備の説明を受けていた。

菜の花畑と空に泳ぐ鯉のぼり

 4月7日13時。津市榊原町は文字通りの桜花爛漫。様々な施設の敷地から、少し遠くに望む山中まであちらこちらが淡い紅色に包まれている。
 東洋文化研究家のアレックス・カーは、一年に一度わずかな期間にしか咲かず他に何の役にも立たない桜の木をあらゆる場所に植えて楽しむ日本人の豊かな精神性を絶賛していた。風に舞い散る花びらと共に漂うほのかな香り。確かにこれこそが日本の春である。
 この日は榊原町から、白山町に至る行程を走る。本音を言うと、もう少し美里町内を回りたかったが、前回からこの日まで、雨で3回ほど予定が流れている。うかうかしていると、あっという間に梅雨がやってくる。後ろ髪を引かれる思いだが、温泉保養施設「湯の瀬」の辺りで車から自転車を降ろすことにした。
 そして、いつもの如く私とM君は自転車に乗り、榊原町のメインストリートである県道28号を白山町方面へ進んでいく。
 湯の瀬の駐車場一帯にある桜の木々も見事な花を咲かせており、入浴客以外にも大勢の人が見物に訪れている。私達は、そのすぐ近くにある菜の花畑の横に自転車を停め元気に大空を泳ぐ鯉のぼりの姿を楽しむ。榊原温泉のゴールデンウィークを彩る風物詩を見ながら、始まったばかりと思っていた今年も、もうこんな時期かとしみじみと思う。

「恋こ槌」を手にした射山神社の大黒天像

 立ち並ぶ温泉旅館の前を通って、榊原町の氏神である「射山神社」へ。この神社は、海底の地層がせり上がって出来た貝石山のふもとにある。祭神は大名貴命(大国主の別名)と、少彦名。境内の一角には、大国主と同一視されてきた大黒天の像が祀られている。その手には触れると恋の願いが叶うという「恋こ槌」が握られており、最近は恋のパワースポットとしても売出し中である。
 恋愛成就や縁結びのスポットと聞くと、うら若き乙女が集う感じがして、我々など場違いではないかと、つい尻込みをしてしまう。しかし、そのような女性たちは元々、引く手数多ではないか。むしろ、我々のような人間こそが、この神にあやかるべきだろうと少し卑屈な見方も交えながら、強引に結論づけて境内へと歩を進める。
 何事も自らの〝腕力〟で切り拓こうとするM君は余り信心深い人間ではない。この時も驚くほど、そっけないお参りをしていた。
 私は大きなお世話と自覚しながらも心の中で神に友人の非礼を詫びた上で、彼に素敵な出会いがあらんことを密かに祈願した。(本紙報道部長・麻生純矢)

 ▼和田はる子個展=~20、三重画廊
 ▼石川さゆりコンサート=18、県総合文化センター大ホール

[ 5 / 7 ページ ]« First...34567