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東京カリスマドライバーである、下田大気さんの「タクシーほど気楽な商売はない」にも書かれているが、福祉タクシーも時間マネジメントの世界だ。時間を有効に使う人、現状に満足せず自分の一日を振り返る人には向いているのかも知れない。先の〝気楽〟というのは、また別の意味から派生しているのだろうが、いろんな出会いが自らを変えるのは間違いない。
福祉タクシーには、様々な依頼がある。病院への通院、入退院だけでなく一人住まいのお年寄りの見守りや季節の花見、結婚式場の付き添い、夜間も要請があれば走行する。
桜花の落花が盛んなある日の夕方、一本の電話が鳴った。津市内から横浜市内の病院まで、至急搬送の依頼。「療養目的で三重に来ていたが、今日帰ることになった。電動車椅子に乗っているが、重量もかなりで、道中も心配している」と、相手は告げた。
帰庫を予定していたが、ハンドルを返して乗車を開始したのは、午後6時を過ぎていた。これから夜間走行ということもあり、安全運転はもとより、車の揺れや空調の一つひとつが患者さんの負担を大きく左右するので、慎重な搬送が求められる。同時に、車内介助も大きな役目の一つだ。
車椅子で乗車いただいたのは、著名なエッセイスト。ADL(日常生活動作)や、その他を詳細に聞いたうえで車輛を走らせたが、本体が100㎏はある電動車椅子に長期療養期間中の膨大な荷物、家族や関係者も同乗するという。
さらに、患者等搬送車輛は2名乗務体制が基本。道中の休憩も、もちろん入れなければならない。ドライバー以外に患者さんを含めて4人が乗車するのだから、普段余裕のあるハイエースの車内は、それこそ足の踏み場もない。
これだけ大所帯の車に緊張し、聞けば高速道路の途中は渋滞しているとの情報だ。もし途中で患者さんの容体急変すれば、それこそ一大事である。患者等搬送車輛は、サイレンや赤色灯を設置してはならない。
私は、これまでの経験をフルに生かそうと決断した。その中には、もちろん遠距離の走行や患者搬送、救命講習等で習ったこと、車内に設置してある諸設備、介護経験なども全て入れ込んで走行した。
水分の補給や体の見守りは、後部に乗車する介助員が車内ランプを頼りに行う。春と言っても、夜間は冷え込む。難病ということもあり、家族と相談して患者さんに負担がかからないよう、車外での休憩は難しいと判断。幸い、患者さんは車内で熟睡している。
停車させつつ容体を気遣い、途中の渋滞もクリアして現地に到着したのは、午前1時を過ぎていた。横浜の街並みは、夜露に包まれていた。昼間は混雑するであろうビルの谷間の深夜はタクシーの往来だけが頻繁で、走行していて幻想的な気分になる。
早速、連絡済みの病院の救急外来の指示を仰ぎ、車を誘導してもらいながら、医師に道中の患者の状態などを報告した。
何日かしたある日、搬送した患者さんの家族から電話があった。「今日、天国に旅立ちました。地元の病院で最後を看取れたのは、私達もそうですが、本人もよかったと思います。ありがとうございました」。
息を引き取られてから、数時間後とのこと。普通は、親戚やこれまでに付き合いがあった人達への連絡で多忙を極めているだろうが、我々にも〝礼〟を返してくれる。この仕事をして、感無量の一瞬だった。
日記を開けば、幾多のエピソードがある。これらの経験一つひとつが、乗車していただくお客様の喜び、自身への明日への糧につながっている。
大森 成人(日本福祉タクシー協会会員・患者等搬送事業認定はあと福祉タクシー代表)
2014年5月22日 AM 4:55
▼ピアノであ・そ・ぼっ=22、みえこどもの城
▼曽野次郎個展=~25、三重画廊
▼齊藤綾子個展=28~6・1、三重画廊
▼編庵ニット展=28~6・2、ギャラリー集
▼佳旺会日本画展=22~25、アスト津5階ギャラリー
▼松阪市内公民館・歌謡クラブ発表会=25、農業屋コミュニティー文化センター
2014年5月22日 AM 4:55
JRP日本リアリズム写真集団三重支部(事務局=津市一身田上津部田)が5月28日~6月1日まで、津駅北隣のアスト津5階ギャラリー2で福田善一さんの会員展、「なにはにほへと~大阪 ひと皮 むきました~」を開く。
タイトルの「なにはにほへと」とは、「いろはにほへと」と「ナニワ(浪花・大阪)」を掛け合わせた造語。
福田さんは「ナニワの見えざる多面性を写真で披露します。新たな視点で大阪を捉えて頂ければ。今回の写真展は〝序章〟で、今後も順次作品展開してゆける様、次なる被写体を追い求めて大阪市内を巡回し続けていきます」とコメントしている。
問い合わせは事務局☎059・232・1781山口さんへ。
2014年5月22日 AM 4:55