とても面白いという評判を聞いて、映画館に足を運んだ。美杉で撮影された映画WOOD JOB!(ウッジョブ)。エキストラとして参加した知人を見つけられるか、美杉の見知った景色に出会えるかという興味もあった。
 映画は林業をテーマとした青春コメディで、「青年よ大木を抱け」とポスターにある。都会の若者が田舎で鍛えられる、ありきたりのストーリーだろうと、内容にはそれほど期待していなかったが、大いに楽しんだ。俳優陣の活躍と脚本の良さと監督の腕だろうか。
 主人公は都会育ちのちゃらちゃらした十八歳である。失敗を重ねる彼を、くすくす笑いながら見ていると、へらへらしながらも少しずつ変わっていく。取り巻く田舎の人々も個性的で魅力的。伊藤英明の山猿っぽいカッコよさが出色である。
 聞いたところ、俳優は実際に高い木に登って枝の上に立ったり、大木を切り倒したりしたらしい。実写とは思えないほど大掛かりなシーンもあって、映画にはCGが当たり前という認識を改めることになった。
 見終わって、爽やかな気分になった。原作者のお父さんが美杉出身だそうで、親戚の方々も美杉にお住まいとか。勝手に親近感を感じた私は、未だろくに挨拶もできない主人公が、この先美杉の山でどんな変化を遂げるだろうと、映画の続編までも期待したのであった。       (舞)