2014年6月

講演する結城さん

 5月25日、三重県総合文化センターで一般社団法人・小規模ケア研究会が来年の介護保険改正に向け、県内の介護事業所の職員や経営者たちを対象にしたセミナーを実施した。
 講師は淑徳大学教授で国の社会保障制度改革国民会議委員を務めている結城康博さん。演題は「介護保険制度改正で介護現場はどうなるか」。
 結城さんは、最初に社会保障を担う基本システムについて、国が打ち出している自助(自分)→互助(家族や地域)→共助(社会保険)→公助(福祉制度)という優先順位について疑問を投げかけた。その上で少子高齢化や核家族化など社会構造の変化しているにも係わらず、低迷が顕著な自助と公助に重きを置くという考え方を批判した。
 また、強化を掲げている地域包括支援センターについても、運営する自治体のマネジメント力や現場力によって、地域間格差が生まれる可能性を指摘した。
 更に制度改正で新たな福祉サービスが行えるようになる一方、ボランティアを制度の中枢に据えるという現実離れした想定にも異を唱えるなど、歯に衣を着せぬ鋭い語り口で、様々な改正の問題点に切り込んでいた。

増田さん(左)、森園さんと趣きのある展示作品

 津市久居中町134─35の和紅茶(国産の紅茶)をメインとする紅茶の店「茶寮 多喜」=店主・増田多喜子さん=では、併設のギャラリーで7月29日まで、古布などを使った和小物の「初夏のしつらいと七夕展」を開いている。
 佐世保市近郊でギャラリーを運営する森園美智子さんの協力で、季節ごとに行っている作品展の一環。七夕にちなんだ古布のちりめん細工の笹飾りや人形、押絵のタペストリーなど、夏らしい趣きのある作品約25点が並んでいる。
 何れも細部にまでこだわって作られた逸品で訪れる人の目を楽しませている。また作品鑑賞の前後には、同店で、庭の緑を眺めながら、ゆったりと和紅茶を味わい、寛ぐことができる。
 先月、同店を訪れた森園さんは、「日本の文化だから、七夕の時期には、このような七夕の作品を家に飾って、季節の風を呼び込んでください」と話した。
 営業は10時~16時、水・木曜定休。駐車場は店向かいのNO1~4。
 問い合わせは☎059・256・3135へ。

[ 27 / 27 ページ ]« First...1020...2324252627