半分はノラ猫のせいだ。庭に置いた生ゴミ容器の蓋を開けて覗きこんでいるのを見た。半分は私が悪かった。燃えるゴミの日を一回逃してしまった。
 今朝、ゴミを捨てようと生ゴミ容器を開けたら、ウジ虫が蠢いていた。そこでキャアと悲鳴を上げれば、女らしいと言われるかもしれないけれど、久しぶりに見たものなので珍しくて、しげしげと見入ってしまった。白くて、ぷっくりしていて、何十匹も…。その後、ゴミ管理の甘さを反省しつつ、容器の中身ごとゴミ袋に密封して集積所に運んだ。今頃ウジ虫は火葬されているだろう。
 この頃ハエの姿を見なくなった。どんな虫だったかと忘れるほど見ていない。それでも、ハエはこの辺りにいるようだ。いつのまにかゴミ容器の中の魚の腸に卵を産み、ウジ虫が発生した。
 ウジ虫と言えば、汚いものの代表のようだが、汚いのは腐った魚である。ウジ虫はそれを食べて処理しているわけで、虫自体が汚いとは言えない。実はきれい好きの虫かもしれない。戦争で傷の手当が不十分な時、ウジ虫が膿や腐った肉を食べることで、むしろ傷の治りが早まったという話を読んだことがある。
 もぞもぞ蠢く様は可愛らしくはない。ウジ虫野郎のような侮蔑的表現もある。でも、ウジ虫を目の敵にするのは間違っているかもしれない。久しぶりの対面で考えたこといろいろ。   (舞)