日曜日の午前中、ジムは人でいっぱいだった。ランニングマシンは順番待ちの様子だったが、エアロバイクには数台の空きがあった。
 静かにペダルを回し始め、次第に回転数を上げていく。一分間に六十回転ぐらいを維持しつつ、ペダルに負荷を加え、心拍数を上げていく。
 心拍数は百を超えるぐらいで良しとしている。自転車漕ぎの苦行をするつもりはない。気持ちよく運動をしたい。
 ペダルを回しながら、目は周囲を見渡す。本を読みながら足を動かす人がいる。隣の人と楽しそうに笑いながらの人もいる。運動は楽しみつつした方が長く続けられる。
 こんなふうにペダルを回して自転車のライトを点けたことを思い出す。ライトを点けたとたんにシャーという音がしてペダルが重くなった。坂道を登るときなど、無燈で走りたくなったものだ。
 ジムに並んだエアロバイクで発電するとすれば、どれほどの電力が得られるだろう。二十台が十時間動くとして……。運動する老若男女のエネルギーを蓄電池に溜め、照明に利用できないものだろうか。
 風や波や地熱や太陽光を発電に利用するのだから、人力発電機があっても良いだろう。脂肪を減らすためだけにペダルを回しているのはつくづくもったいない。消費カロリーだけでなく、発電量が分かるバイクならきっと励みになるだろう。
        (舞)