

検索キーワード




先日の台風11号の際に、津市内も大きな被害を受け、述べ約3万2千世帯、約7万人に対して避難指示が出されたが、避難所へ移動する「水平避難」は夜間や増水時に危険が伴うこともあり、自宅の2階など、より高い場所に避難する『垂直避難』の周知・徹底を求める声が上がっている。先進地では、水平避難が必要な地域を予めピックアップするといった施策も進めており、一つの大きな指標となりそうだ。
先日の台風11号の際には津市内で総雨量400㍉を超える猛烈な雨が降り、床上浸水や床下浸水が発生するなど、甚大な被害が発生した。雲出川や岩田川を始めとした10河川の沿岸の約3万2千世帯・約7万人に避難指示が出された。
この中で、実際に避難したのは664世帯の1637名。これを多いとみるか少ないと見るかは判断が分かれるところだが、避難しなかった人の大半は、避難所に移動する際のリスクや自宅の堅牢性を考慮してのことであると考えられる。 これは、あながち間違いであると言いきれず、行政は現状以上に、詳細な情報で呼びかけを行わないと、今後も〝空振り〟が増える可能性がある。
この問題に対して、全国的にも先進的な施策で知られるのが兵庫県の姫路市。同市の防災計画では、高層マンションや堅牢な2階建て住宅が増えていることを理由に、風水害発生時には浸水予想が1m未満の地域は一次避難所などに移動する水平避難ではなく、自宅の2階や隣接する建物の2階以上に避難する『垂直避難』を基本と定めている。つまり、対象となる浸水予想1m以上に達する地域以外は避難所に行くのを無理に勧めないということだ。
浸水予想は微妙な地形の違いで、隣接地域でも大きな差が出るため、細かい範囲で水平避難対象地域を指定しているのも特徴。もちろん、対象以外の地域でも自主防災組織が水平避難が必要とした場合などは、それに従うこととしている。
津市の防災計画にも垂直避難の重要性は示されているが、現状では水平避難か垂直避難かを選ぶのは市民の自主判断に委ねられている部分が大きい。それと比べると姫路市の場合、行政が水平避難エリアを明示しているので、市民にとって非常に判断しやすい環境が整っているといえよう。
9月定例市議会の一般質問でも、垂直避難の重要性を訴える声が出ており、津市は自主防災組織などを対象とした講習などで垂直避難の重要性を訴えていくとしている。
市民に垂直避難という考え方を浸透させることが先決だが、同時に津市にもある洪水ハザードマップを活用し、姫路市のような行政としての具体的な指針を明確に打ち出せば、より効果的な施策となる。
特に、夜間の避難勧告・指示の発令は、大きなリスクが伴い、被害が拡大する諸刃の剣となりかねないので全国の自治体でも議論の的となっている。そのため、今よりも一歩踏み込んだ施策が重要となる。
また、津市では、聴こえにくい防災無線や携帯電話のエリアメール活用法といった情報伝達手段も大きな課題とされている。しかし、情報伝達する前にでも誰もが、判断できる指標があれば、心強いのは確か。
防災対策に終わりはなくどこまでを想定するかは非常に難しいが、今回の豪雨による被害を教訓にし、より有効性の高い施策展開を期待したい。
2014年9月11日 AM 4:55
<< 高校生ものづくりコンテスト 東海大会で見事3位! 津工業の奥・鴻池・田中くん 瑞々しい感性光る 小学生の俳句絵コンクール >>