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約140年間、県庁に眠っていた津城本丸の各種櫓・門類の詳細な図面「御城内御建物作事覚 四」の全文および同史料についての研究など藤堂藩に関する最新の成果をまとめた研究書「地域社会における『藩』の刻印 津・伊賀上野と藤堂藩」が、このほど清文堂出版(大阪市)から発売された。A5判390頁、本体9500円+税。
藤田達生三重大学教育学部長・教授の監修、同大学歴史都市研究センター編。今回の本は、09年、日本史・美術史・考古学・建築史の研究者らによる総合研究書として清文堂より出版された「藤堂藩の研究・論考編」と同じく多分野の研究者による続編。藤堂藩領および周辺も含めた地域社会にとって、また近代・現代にとって藤堂藩とはなんだったのか、現代のまちづくりをも視野に入れて論考を深め、従来の歴史研究書と一線を画しているのが大きな特色。
全体は、統治構造、家臣団、城郭・城下町、文化遺産の4部構成。「藤堂藩の誕生」=深谷克己早大名誉教授、「西島八兵衛の治水事業」=山田雄司三重大教授、「藤堂藩の武家屋敷配置と変遷」=齋藤隼人三重大歴史研究会、「津城、廃城後の経緯に関する研究」=吉村利男三重県史編纂委員、「三重県所蔵『御城内御建物作事覚 四』について」=松島悠県健康福祉部主事、「藤堂藩領における藩主・重臣家墓地」=竹田憲治県教委文化財保護課班長、「大河ドラマは町になにを遺したか」=太田浩司滋賀県長浜市長浜城歴史博物館長、ほか興味深い論文多数が所載されている。
問い合わせ清文堂出版☎06・6211・6265へ。
2014年9月25日 AM 4:58