「結婚して一番驚いたことは…」と娘が話し出した。思わず身構えた私に、「鮭の皮は食べずに残すものだった。そこまで食べなくて良いよと言われてしまって」と娘。
 我が家では鮭の皮を食べるのが普通だったのに、行儀の悪い行ないかと、恥ずかしくなったそうだ。
 娘婿の家では、煮魚でも焼き魚でも皮を残すのが普通らしい。「美味しい部分なのに、食べられないのが残念だ。」と娘が言う。
 私は急いで反論を用意した。魚の皮にはコラーゲンがあるし、そのすぐ下の脂肪にはDHAやEPAも多い。体にも良いし、何より美味しいので、捨てるのはもったいない。さくらももこも鮭の皮が好きだと書いていたはず。
 「結局は文化の違いなんよね」と娘はクールに片づけた。結婚は異文化との遭遇。異文化を尊重し合っていくことが結婚生活を存続させるコツである。結婚数十年の母が至らぬ境地に、娘は数年で到達したようだ。
 食事の場面には、家庭それぞれの文化が表れやすい。白いご飯の上に、おかずを乗せることが厳禁であったり、緩やかだったり。ご飯茶わんでお茶を飲むのが厳禁であったり、それが当然であったり。食事中の姿勢や会話も、家庭によって躾け方が違う。どれも異文化だと認めた上で、新しい家庭の文化を作っていけばよい。夫婦で話し合って。もしくは闘って。(舞)

  ◆フリーマーケット 10月12日(日)10時~15時、津お城公園にフリーマーケットを出店。主催はNPO法人日本シルバークラブ=笠井英嗣会長=。子供服・洗剤・介護用品など食物以外の日用品を販売。売上金は児童養護施設へ寄付する。同クラブ☎059・221・2230。
 ◆祝祭・夢の手づくり市 10月13日(祝)10時~16時、三重県総合文化センター広場&生活工房で。手づくりにこだわる様々なブースが出展。食…カステーラ・たこ焼き・ハンバーガー・串揚げ・バジルペースト・カレーライス・メキシコ料理・ナチュラルチーズ・プリン・ラスク・米・味噌・にぼし、ほか。生活雑貨&小物…ヒノキ木工雑貨・革作品・筆文字・パッチワーク・消しゴムはんこ・アクセサリー・パワーストーン、ほか。入場無料。ふきの藤さん☎090・3459・7496。

講演する佐々木原氏

講演する佐々木原氏

 2日、津市一身田大古曽の三重県人権センター多目的ホールで、「新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム~要支援の移管に伴う地域支援事業に向けて~」が開催された。主催は(公財)さわやか福祉財団、特定非営利活動法人地域ケア政策ネットワーク。
 改正され来年度から施行される介護保険制度で要支援の訪問介護・通所介護が自治体へ移管されるのを前に、自治体、事業者、住民の理解を深めることなどが目的。基調講演で、厚生労働省老健局振興課介護サービス振興課・生活支援サービス係の主査・佐々木原剛氏が『介護保険制度改正の内容と方向性について』と題して語った。佐々木原氏はまず、制度改正の背景である高齢化について「我が国では2025年には65歳以上の高齢者の全人口に占める割合が約3割、75歳以上は約2割になる見込み」
などと説明した後、地域支援事業に移行させる現在の訪問介護・通所介護について、「既存の事業所の他、NPO・民間事業者、ボランティア等がサービスを提供する。必要とする人には相応しい単価で専門的なサービスが提供される。一方で排泄などは自立しているが買い物などが難しい人は完全にサービスの受け手になってしまうのではなく、サービスを利用しながら時には支える側になるような形で地域との繋がりを深めてもらえれば」と語った。

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