•  かつてこの欄で、3回にわたって中心街活性化についての提案を行ない、その一つ津観音に抜苦・与楽地蔵の安置ができのことは周知の通りである。
     その後、津市商業振興労政課と三重大学地域戦略センターがタッグを組み、「中心市街地活性化タスクフォース」を立ち上げ、センターパレスを中心に事業を行ってきた。しかし、色々な案が出され実践もされてきたが、必ずしも活性化につながっていないのが実情である。
     ところが、三年目(平成24年・中心市街地活性化オープンディスカッション。同25年以降・中心市街地活性化タスクフォース)に入った今春、かつての津観音を軸とする活性化案をベースに、伊勢参宮の帰りに津へ寄ってもらう案が採用され、プロジェクトチームを組んで推進することが決定、関係機関や団体の協力を得て大きく一歩を踏み出すことになった。
     その案とは、昨年の遷宮では1300万人、一昨年も880万人を数える参宮客に、帰途、津インターから7分の中心街に寄ってもらい、中心街の散策と津観音の参詣、お昼に朝日屋の松阪肉を津都ホテルで楽しんでもらおうという企画である。
     昨年の遷宮におけるテレビのインタビューで、伊勢神宮の宮司さんが、「伊勢神宮は天地自然の恵みに感謝し、世界の平和、国家の安寧を祈るところで、個人の頼みごとをするところではありません」と答えていたことをヒントに、こんなキャッチフレーズを考えてみた。
     「伊勢は津でもつ津は伊勢でもつ…、伊勢の帰りに朝日屋の松阪肉を食べていきませんか?あなたの苦を抜き、楽を与える抜苦・与楽地蔵の津観音さんも待っています…」
     この企画のキーワードは「温故知新」、古きを活かし新しき発展をはかる、すなわち、津観音を活かし大門商店街を活性化させるということである。
     津インターを降りた観光バスは、7分で大門アーケードの南口に着き、降車した観光客はボランティアガイドの案内で商店街を通って津観音へ、抜苦地蔵をなでて苦を抜いてもらい津観音に参詣、たっぷり願いごとを頼みお慈悲をいただいて資料館を見学、帰りは与楽地蔵をなで楽をもらってから、立町を通って津都ホテルへ移動、メインの朝日屋松阪肉のランチとなる。
     ゆっくりと松阪肉の昼食を済ませた後は、お土産に松阪肉を買いたい人を朝日屋に案内、帰りは立町から大門アーケードを散策、お土産などを買って南口へ集合、観光バスで津インターへ、約3時間のスケジュールである。
     なお、「うなぎ」のコースも用意、この場合も大門アーケード、津観音の散策コースは同じとする。
     また、直接、津へ来てもらうコースとして、基本コースに一身田の高田本山や赤塚植物園(植物の組織培養、生産温室における植物の生産状況、稀少植物温室の見学など)を加え芸濃インターから帰ってもらう、「朝日屋の松阪肉を食べに来ませんか」(一日コース)も付加する。
     懸案であった観光バスの駐車場は、現在ある「お城東観光バス駐車場」の周知をはかるとともに、フェニックス通りの海よりなどについて関係各機関において検討中である。
     車中で渡す観光マップは、すでに市の商業振興労政課などで案が作成されており、津観音のマップもOKである。
     観光会社やバス会社から連絡を受けた関係部署は、それぞれ関係団体に連絡、大門アーケードへも各店が工夫したおもてなしを行うよう働きかける。
     それに先立ち、「朝日屋の松阪肉ランチ」の試食会を広く市民対象に津都ホテルで実施(試食特別価格)。アンケートを取ってランチのメニューや味付けに活かすこととする。
     市民による試食会の感想も参考に、観光業者やマスコミ各社を招待して、「津中心街観光案内と松阪肉試食会」を実施する。特に、大門たてまちアーケードが国道23号沿いであることや、津インターや中勢バイパスから7分の距離にあることを力説する。
     合わせて、関係機関や団体はもちろん、三重県観光局や同じく三重県観光連盟などの協力を得て、ポスターやホームページを駆使し広く宣伝する。
     大門アーケードは暗くてシャッターが閉まっていたり、歯抜けの土地が目立つなど現状では駄目だとの指摘もあるが、実際に観光客が増え人の流れが出来れば、商店街、お店がそれぞれ勘考し工夫して、必ず賑わいを取り戻すものと確信する。
     市民の皆様、ご協力をよろしくお願いします。