講演する戸澤教授

講演する戸澤教授

 22日、津市新町のプラザ洞津2階で、県内外で活躍する中小企業診断士98名で構成する『(一社)三重県中小企業診断協会』の創立50周年記念講演会と、記念式典が開催された。
 講演会では、芝浦工業大学デザイン工学部の戸澤幸一教授が、同大や企業、経産省、海洋研究開発機構、東京東信用金庫などの産学官金連携による海底探査機「江戸っ子1号」の開発について語った。
 戸澤さんはまず「江戸っ子1号プロジェクト」の趣旨を、「町工場の活性化・技術伝承と下請け体質からの脱出。また産学官金連携を活用して開発、事業化すること」と説明。続いて「発案者は東京都葛飾区でゴムの製品開発をしている杉野社長で、大阪のまいど1号(人工衛星)にならって海底探査機の開発を提案しました。
 なぜ深海探査機かというと、日本は排他的経済水域が世界第6位の広さで、深海には生物・資源など未知のものが沢山あるが、その探査には非常に高価な探査機が必要でした。そこで、私達は、漁船などで簡単に探査ができる安く、扱いやすい探査艇の開発を目指しました。できれば最深部の魚類ビデオ記録8000m
を目指します」と語った。
 また、水深9000mの水圧に耐えるガラス球を活用した江戸っ子1号の仕組みや機能を説明。
 海での実験で水深7800m付近まで到達したときの様子を、当時の映像を交えて語った。
 そして最後に「これからの江戸っ子1号の可能性として、量産・簡易版・機能アップがある」などと話し締めくくった。
 なお式典では、功労者として永合寛さん(故人)、西垣一男さん(故人)、大竹美光さん、中田勝仁さんが表彰された。