2014年11月

今年3月のお雛様姿で結婚式の様子

今年3月のお雛様姿で結婚式の様子

 津観音・だいたて街の会(北村博運営委員長)は津観音・だいたて商店街で来年2月中旬~3月3日、第9回『津・大門のおひなさん』を開く。現在、3月1日(日)に津観音本堂で行うイベント、十二単と束帯のおひなさま姿で挙げる結婚式のカップル1組を募集している。
 結婚式は、すぎしん衣裳店が協賛、宮内庁御用達の織元で織られた十二単と束帯を提供。着付け(担当は長谷川見知子・あさひ会花嫁着付研究会副会長)や挙式費用も無料。ただし花嫁の「おすべからし」は自己負担となる。当日は津観音大宝院第27世院家の岩鶴密雄師の先導で赤い毛氈の敷かれた商店街を歩き、大勢の市民からの祝福を受けながら同寺本堂へ。読経が流れる厳かな雰囲気の中で仏前挙式が挙行される。
  希望者は氏名・住所・電話番号・写真を添えて、〒514─0027、津市大門24─12、「津観音・だいたて街の会」へ。応募多数の場合は書類選考後に面接し、決定する。締切は12月31日必着。
 問い合わせは、大門大通り商店街振興組合☎津223・0090。

 15日・22日、津市大門地区やその周辺で行われた「第1回・津ぅのドまんかバル」は盛況のうちに幕を閉じた。街バルは共通チケットを使うと参加店舗でバル専用メニューが楽しめるというもので全国各地で開催され、注目を集めている。近年、「元気がない」と言われて久しい大門地区に両日は多くの人の姿が見られたが、今までのイベントと一線を画する地域振興にもなり得る街バルならではの魅力を実際に参加しながら探った。

津ぅのドまんなかバルの参加者でにぎわう参加店

津ぅのドまんなかバルの参加者でにぎわう参加店

 街バルのバルとはスペイン語で酒場や食堂を意味する言葉。地域の飲食店を共通チケットで巡れるようにする催しで、新たな地域振興策としても注目されている。街バルブームの火付け役として知られる兵庫県伊丹市などが有名。三重県内でも尾鷲市などで開催されている。
 バルを主催した実行委員会の実行委員長である増田芳則さん(34)は、三重県地方自治研究センターの研究員。津のローカルヒーロー・ツヨインジャーを立ち上げたり、市内のうなぎ店の情報をまとめたうまっぷを手掛けるなど、地域活性化に向けた様々な活動を続けている。
 開催のきっかけとなったのは、今年5月に増田さんが尾鷲市の街バルに参加したこと。普段の街の様子からは想像できないほどのにぎわいぶりや各店舗の手厚いもてなしに感動。これを絶対に津でもやりたいと決意。大門地区の飲食店を中心に120店舗を一軒ずつ巡った。その後、趣旨に賛同した62店舗が集まり11月15日と22日の両日開催となった。実行委員会は同センターのほか、津市観光協会、津商工会議所、津市で構成。
 システムを簡単に説明すると、5枚綴りで、前売り3000円、当日3500円のチケットを購入し、参加店舗で1枚ずつ切り離して使う。すると、一皿の軽食と飲物を基本とした各店自慢のバル専用メニューが楽しめる。チケットがある限り様々な店舗を巡れる仕組みだ。
 初開催だけに人出が心配されたが、チケットが予想を大きく上回る1400組も売れたことからも地域の期待ぶりが伺える。
 記者もチケットを手に、22日に各店を回った。初日の15日は、店舗に人が殺到し、混乱も見られたそうだが、この日は昼も夜もやや落ち着いた様子だった。
 バルは昼と夜の両方楽しめる設定。お酒と食事だけでなくお菓子や刺身などテイクアウト商品と交換できる店舗もあったので、1冊のチケットで、家族へのお土産まで持って帰れるのは、嬉しい配慮だ。
 店舗を回る参加者たちの中には「普段は、大門に余り来ない」と答える人が少なくなかった。その一方、地元で生まれ育った人たちからも「いつも行く店以外に入るきっかけができた」という意見も聞かれた。  地域活性化を目的に様々なイベントが催されているが、思ったよりも会場近くにある店舗の集客には繋がっていないという実情がある。しかし、バルの目的地は店自体。店舗側からは、この点を喜ぶ声が多数聞こえてきた。
 チケットに描かれたカギの絵のイメージ通り参加者側は、気軽に〝未知の店〟の扉を開くことができ、参加店側にとっても、自店の雰囲気や味を、客に直接アピールでき、平時の集客にも繋げられるといった具合にメリットは大きい。
 記者が回った店は、どこも充実したメニュー内容で、新規ファン獲得への熱意を感じるものばかり。気が付けば、あっという間に5枚を使い切っていた。
 増田さんは両日の盛況ぶりを喜びながらも「元気がないという大門のイメージを変えるには、個店の頑張りではなく、地域で勝負する必要がある」と、地域をあげた取り組みの重要性を訴える。
 今回のチケットの売り上げ総額から店舗への支払い分を引いた金額が次回の運営費として積み立てられている。既存の店舗を活用するので、野外イベントのように多数のテントを借りる必要はない。一度回り始めてしまえば、開催資金集めにも悩まされにくく、持続可能な運営ができるのも街バルならではだ。第2回は来年を予定。バル先進地では、継続的に開催されており、地域活性化にも一役買っているだけに津市でも今後の展開が非常に楽しみといえる。

 18日、津市センターパレスホールで『第11回・美しい中部のみなとまちづくりフォーラム~津なぎさまちを活用した地域振興~津のために「なぎさまち」にできることとは?』が開催された。主催=同フォーラム実行委員会。
 平成16年より開催されているこのフォーラム。みなとを核とした地域や観光の振興、人やモノの交流活性化などを応援することが目的。国土交通省と事務局の都市環境ゼミナール=伊藤達雄会長=と会場となる市が共催している。
 今回は来年2月に中部国際空港と津なぎさまちを結ぶ海上アクセスが10周年を迎えることから、それを活かしたまちづくりや地域振興について話し合った。
 基調講演と基調報告では中部国際空港㈱代表取締役社長の川上博さん、中部運輸局長の野俣光孝さん、みなとオアシス全国協議会会長の長澤宏昭さん、前葉泰幸津市長が登壇。
 川上さんは、世界でも珍しい空港と高速船で繋る海上アクセスの優位性を説明。津エアポートライン自体が津のナンバー1アトラクションと外国人から評されているのを踏まえた上で、伊勢や伊賀など、県内の主要な観光地へなぎさまちから容易にいけるバス路線網の整備を訴えた。
 野俣さんは、平成24年度から中部北陸9県を連携させた「昇龍道プロジェクト」を軸に説明。今年は400万人の訪日客獲得が確実視されているが、三重県は現状、外国人からの認知度が低いため、中部国際空港と関西国際空港を結びつつ、県内各地を観光するプラン構築の必要性などを指摘した。
 長澤さんは、地元の瀬戸内海に浮かぶ小さな島にある広島県尾道市瀬戸田町で始まった、みなとを核に地域住民と観光客の交流などを図る「みなとオアシス」についてを自身の取り組みなどを踏まえて語った。
 前葉市長は、かつては日本三津と呼ばれた安濃津をルーツに海と共に発展を続けた津の歴史とこれからの展望について語った。
 その後、パネルディスカッションを実施。冒頭、コーディネーターの伊藤会長は「津のまちもなぎさまちも更なる発展をしていくことを期待されている」と語り、パネラーたちは、それぞれの立場で活発に発言していた。

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