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11月23日、世界のブランド『松阪牛』の年度チャンピオンを決める『第65回松阪肉牛共進会』が松阪農業公園ベルファームで開かれた。主催=三重県・松阪市・津市など関係市町ほか関係農業団体。
厳しい最終予選を勝ち抜いてこの日の本選に出場した50頭の特産松阪牛は、兵庫県から買い付けた子牛を松阪牛肥育地域で肥育農家が手塩にかけ、採算を度外視して900日以上も肥育した未経産の牛。毛並や肉付きなど、どれをとっても素晴らしい名牛が揃った。
早朝から県畜産研究所の職員ら5人が厳正なる審査した結果、チャンピオン牛の優秀賞1席には松阪市大宮田の永田憲明さん(47)肥育の『おふくひめ』号=肥育日数1110日、688㎏=が輝いた。永田さんは3回目の1席獲得。
今回は、松阪市政施行10周年記念大会ということもあり褒賞授与式と功労者表彰式が行われた。その中で審査長の県畜産研究所大家畜研究課・岡本俊英主任研究員が、「平均体重660㎏とボリュームのある牛が揃っており、どれも普通とは比べものにならない牛ばかりだった。優秀賞1席の牛は身体のバランス・肉付き・体表の滑らかさなど、どの審査員が見ても申し分がなかった」と講評した。
その後、大勢のギャラリーや報道陣が注目する中で行われたせり市には、津の朝日屋、松阪の和田金、牛銀本店などが参加。審査員の評価とは、一線を画した精肉業者ならではの目利きでせりを繰り広げた。
優秀賞5席の『ふくみ』号は、332万円で朝日屋が落札。4席『こすもす』号は340万円でマックスバリュ中部が落札。3席『はなひら』号は351万円で朝日屋が落札。2席『まるこ』号は400万円で朝日屋が落札。
大トリの『おふくひめ』号は300万円からスタート。あっという間に2千万円の大台に乗ると、会場からどよめきが起こった。激しいせり合戦の末、朝日屋が昨年より50万円上乗せした2350万円で落札した。朝日屋のチャンピオン牛落札は23年連続、通算33回目。50頭の平均落札価格は283万円だった。
今年も他を圧倒する買い攻勢で50頭のうち、24頭を落札した朝日屋の香田佳永社長(54)は「記念大会だったので、無事に落札できてほっとしている」と笑顔で話した。朝日屋が、この日に落札した牛たちは今年も12月11日からの名牛まつりで販売する。
落札した各業者の頭数は次の通り─①朝日屋…24頭②マックスバリュ中部…6頭③牛銀本店、瀬古食品…各4頭④やき肉千力、和田金、松阪まるよし、肉の友屋…各2頭⑤マルヤス、丸中本店、柿安、焼肉野崎…各1頭。
2014年12月4日 AM 4:58