倒木を切り登山道を整備

倒木を切り登山道を整備

 8日、津観光ガイドネットの『津10山』プロジェクトチームと一志町歴史語り部の会有志ら11名が、霊峰矢頭山に近い寺谷にある神宮寺奥ノ院跡への登山道整備作業を行った。
  『津10山』プロジェクトチームでは、近年、津市観光協会へ「津市に初心者でも楽しめる山はありませんか」との問い合わせが寄せられるようになったことから、津の新しい観光メニューとして地元の10山を選び昨年12月から調査登山を開始、初心者向けのガイドブックづくりを進めている。
 今回の神宮寺跡への登山道整備は、一志・美杉境界の矢頭山紹介の一環。神宮寺は矢頭権現を管理する別当寺院で、創建は鎌倉時代以前とされ、北畠氏や紀州徳川家も崇敬したが、明治初頭の神仏分離で廃寺となった。奥ノ院跡は矢頭峠越えの道路から約1・8㎞入った山中にある。跡地に建物はないが、鎌倉後期の作とされる蔵王権現像など3体の石像や石灯籠などがある。特に蔵王権現は大岩に深く半肉彫され、谷間で余り風雨に晒されない好環境からか保存状態が良い。
 ただ、寺跡への道順は500m先の砂防ダムを越えてから谷筋が複雑に入り組み、現在では非常に判りにくいのが難点。プロジェクトチームでは一時、ガイドブックへの掲載断念の声もあったが、「あの石像物を埋もれさせるのはもったいない」と登山道整備に乗り出すことになった。
 当日は道標杭、目印の黄色テープ、塗料、チェーンソー、カケヤ、鎌、鉈、ロープなどを用意。何カ所も道を塞ぐ倒木を処理、道標をつけながら進み、2時間半かけて跡地に到着。蔵王権現像の迫力を再確認し、昼食の後、帰路でも迷いやすい所を再チェック。テープや白のペイントで道標を追加、また一部、切った倒木を利用して丸木橋も設置した。
 ガイドブックは当初予定の12月出版から2月頃にずれ込みそう。