津市は中心市街地活性化事業の一環として、日本三観音の一つである津観音への参拝と、全国的にも知られる津の精肉店『朝日屋』の名産松阪肉を津都ホテルで味わう『津アー』のモデルコースを作成。1月30日と2月1日行う試験実施に向け、一般のモニターを募集している。伊勢神宮との縁も深い津観音と松阪肉を核に据え、周辺の商店街や観光スポットもコースに加えるなど、地域活性化と観光振興もめざしていく。

top 津市は平成24年度より三重大地域戦略センターと連携しオープンディスカッションを実施。そこで、一般市民・学生・各種団体などから出た意見を提言書としてまとめた。その中から実現可能で効果的なものを、「中心市街地タスクフォース」が自ら実践・実施している。津観音と朝日屋の名産松阪肉を核とした今回のバスによる津(ツ)アーもその一環。
 津観音は、伊勢神宮参拝が一生に一度の大イベントだった江戸時代に、全国から旅人が集まる伊勢参宮街道きっての名刹として多くの参拝者が訪れていた。その理由は、神道と仏教が交じり合っていた神仏習合の中で、津観音に祀られている「国府阿弥陀如来」が伊勢神宮の天照大神の本地仏(同一存在)として信仰を集めていたため。当時は、「津に参らねば片参り」と言われたほどだったが、今では余り知る者はいなくなってしまった。しかし、一昨年の遷宮をきっかけに伊勢神宮が全国的に注目されており、上手く情報発信することができれば、大きなチャンスを秘めているともいえる。
 一方の朝日屋は、松阪肉牛共進会で毎年優秀賞1席のチャンピオン牛を23年連続33回も落札するなど全国的にもその名をとどろかせる精肉店。今回のツアーでは、その品質の高い名産松阪肉を中心市街地にある津都ホテルが料理し、ランチとして提供する。
 検討中のモデルコース案は、バスで津インターチェンジから大門大通り商街に移動。降車後にボランティアガイドの案内をうけながら散策や買い物を楽しむ。その後、津観音で団体祈祷を受け、本堂横の資料館を見学。立町商店街を散策買い物をし、津都ホテルで松阪牛ランチを堪能する全2時間の行程。更に、この後、朝日屋で買い物をしたり、津城跡の散策や、丸之内商店街や松菱での買い物を盛り込んだ案も検討中。
 開始に向け、一般参加者を募り、1月30日と2月1日のモニターツアーを実施。そこでのアンケート結果や2月に実施するマスコミ関係者向けのツアーで出た意見などを基に、内容を再検討。その上で、名古屋圏の旅行会社の日帰りコースとして扱ってもらえるように呼びかけていく。
 津市には結城神社や一身田寺内町、もう一歩足を伸ばせば榊原温泉など多彩な観光資源を持っている。伊勢神宮との距離も近いので往時のように、津観音と一緒に参拝するというサイクルが確立できれば、津市の観光にとって大きなプラスになることは間違いない。更に、うなぎプラン・津城ガイドプラン・藤堂高虎プラン・川喜田半泥子プランも企画しており、本格スタートが期待される。
 モニターツアー参加希望者(2人一組もしくは1名で応募可)は、往復はがきに代表者の〒・住所・☎・全員の氏名・年齢・性別を明記し、〒514─0009 三重県津市羽所町700 アスト津1階。(一社)津市観光協会「モニターツアー」係へ。参加費は3800円(通常5000円)。定員は各日40名(応募多数は抽選)。1月20日必着。問い合わせは☎059・246・9020へ。

 『姫マツタケ』で知られる、きのこ研究の専門企業㈱岩出菌学研究所は1月24日(土)9時半~11時半まで(受付け9時~)同社敷地内野外=津市末広町1─9号=で、第9回「親子きのこ教室」を開くにあたり参加家族を募集中。雨天の場合は翌日(1月25日)に延期。後援=㈱シエン。
 きのこ栽培を通じて〝食育〟に役立ててもらうのが目的。毎回定員一杯になる人気企画。今回もシイタケ菌の種駒の植え付けを体験する。講師は同研究所農学博士の原田栄津子さん。参加費は1家族税込1000円で、帰りに「菌のまわったシイタケの原木」と「ナメコの菌床ブロック」がもらえる。美味しいきのこの生育アドバイスもある。
  募集数は25家族(子供のみの参加は不可)。定員になり次第締め切り。軍手・かなづち・原木が入る大きなビニール袋(ごみ袋2枚程度)を持参のこと。
 申し込みは、電話もしくはFAX、メールkinoko@iwade101.comで名前(代表者)・参加人数(大人・子供)・住所・電話番号を明記して送ること。
 問い合わせ・申し込みは同社☎津228・5786。FAX224・4661(24時間受付)。

 未年のスタートである。昨年暮れの衆議院解散総選挙で自民党が大勝し、それまでの与党の政策が支持された形となった。
 12月24日に組閣された第3次安倍内閣が強力に推し進める経済政策のひとつがデフレからの脱却である。昨年の日経平均株価は経済政策への期待から大幅に上昇し、今年は2万円に迫ると予想する向きもある。
 毎年の株価の動向については、干支によって格言があるらしい。相場格言では「未辛抱」と言われ、耐える年とされる。確かに12干支の年間騰落率を見ると、未年は下から4番目で、厳しい年とされる。
 まあ、株価が実体経済を反映しているとは言い難く、我々庶民の感覚からすれば、日経平均がいくら上がっても景気が向上した実感は乏しい。
 とはいえ、有価証券の価値が上がり、含み益が増加すれば人間だれしも消費欲が高まるのも事実。景気回復は先ずは富裕層の消費からということだろうか?
 津市の一世帯当たりの貯蓄額は全国でも上位であるとされる。その多くは高度経済成長期に、主に上場企業でモーレツに働いた現在の75歳以上の高齢者世帯だと思うが、今年の相続税・贈与税の税制改正で従来は課税対象にならなかった人の多くが課税対象者になるだけに、アベノミクスの恩恵で〝含み益〟がたくさんあるうちに生前に有効に消費し、景気向上に貢献するのも良いかもしれない。   (森 昌哉)

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