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医師で、松阪市に拠点を置く一般社団法人『i─oh─J!』の代表理事・良雪雅さん(29)は、医師不足や、不要不急な受診の多発によって疲弊する松阪地域の救急医療の再生に、行政や地域と連携して取り組んでいる。同法人では、平成26年度の休日35日間、同市休日夜間応急診療所へ医師を派遣しているほか、救急の適正な利用を啓発する講座などを通じて、住民の、医療・健康に関する知識の向上を目指している。
松阪地域の現在の救急医療体制は、軽症の患者に対する「一次救急」を、かかりつけの医療機関、または内科・外科・小児科がある「松阪市休日夜間応急診療所」が行い、入院が必要な患者を対象とした「二次救急」を3つの総合病院の輪番制で行うというもの。
この体制が、近年、全国でも問題となっている医師不足と、それに拍車をかける不要不急の受診、いわゆる「コンビニ受診」の多発によって崩壊の危機に瀕している。
松阪地区広域消防組合の救急出動件数は平成19年から8年連続で1万件を突破し、全国的に見ても多い。そして救急搬送された人の約6割を入院の必要がない軽症者が占めている。
また同診療所では、医師不足により、26年4月から27年3月の休日のうち35日間、診療の空白日が発生する恐れがあった。
一方、良雪さんは岐阜県恵那市出身で、高校1年生のとき、アメリカ同時多発テロ(9・11)事件が起こったのを機に「人の命を救う仕事で、自分が将来、一生かける価値がある」と考え、医師を目指した。三重大学医学部を卒業し東京都立の病院で2年間勤務。
その後、地域医療に携わりたいと思い、山梨県の病院に1年間務めた。
当時、良雪さんは「皆の健康や病気予防のために病院でできることは限りがあり、生活習慣を変えなければならない」との思いから同県で、スーパーとともに栄養バランスの良い弁当を作って1日300個販売したり、衰退している商店街で高齢者を対象に健康について考えるカフェを開催。住民の健康推進や地域経済の活性化に貢献していた。 そんななか、25年に、松阪市の山中光茂市長との共通の知人から、同診療所の休日診療の空白日の話を聞く。良雪さんは、もし空白日が発生すれば、松阪地域の救急出動が増えたり、受診できない患者が伊勢方面まで流れるなどして、救急医療がさらに危機的な状況になってしまうと危惧。
同年12月、元同期など若手医師約14名を集めて山中市長らと市の救急医療についての座談会を開いたところ、約9名の医師が、この休日診療への協力を表明した。
その後、26年4月に同団体を設立。松阪市からの委託業務で、26年度の休日35日に同診療所へ医師を派遣している。この業務で診察を行うのは、良雪さんと、普段は県内や東京、大阪などで勤務し、良雪さんの熱心な依頼に応えて協力している有志の医師24名。内科・外科に交代で勤務している。
しかし残念ながら、「他の医師から処方された薬が良いのかどうか聞きたくてきた」など緊急性のない受診が後を絶たない。その大きな原因が、地域住民の医療リテラシー(医療や健康に関する知識)不足。
そこで同団体では、市内外で講演や少人数対象の講座を開き、住民に救急医療の適正な利用を啓発している。
また、良雪さんは、「松阪の小児救急医療の問題と、解決するにはどうしたら良いかを、地域のお母さん達自身に考えてもらえれば」との思いから、先月19日、市内の3人の母親とともに「まつさか子育てママチーム」を発足した。
同チームはこの日、市内の母親の子育て支援を行うプロジェクト「まつさかママカフェ」の会議の第1回目を開催。親子や行政職員など27名が参加し、小児医療を含め、子育てに関する様々な分野の課題について活発に意見交換した。
良雪さんは「医療にしても子育てにしても、住民自身が、地域をつくっていくことが一番大事だろうと思う。住民自身に議論して頂きながら、一緒に良い体制をつくっていきたい」と抱負を話している。
幅広い視野で、地域や行政と連携し取り組む活動の意義は大きく、今後のさらなる発展に期待が集まっている。
2015年2月5日 AM 5:00
1月29日、津市栄町の四天王寺=倉島隆行住職=を同寺の末寺である菩提寺=北海道空知郡南幌町=の住職・岩井淳一さんと檀家ら計11名が訪れた。
同町は、津市岩田出身の板垣贇夫が明治27年春に北海道開拓団・三重団体(約30名)を率い入植した場所。津市納所出身の田中常次郎らが明治30年に入植したことをきっかけに津市と上富良野町が友好都市提携を結んでいることは知られているが、その原動力は板垣らの活躍に他ならない。
原野との闘いに一端の目途が付いた同年暮れ 。団員たちが津に残した家族を呼び寄せる時期が近づく中「もしも死者が出たら、ここでは葬式すらできない」という悲痛な訴えを受けた板垣はいったん帰津。当時の四天王寺住職・鈴木天山師(後の永平寺貫首)に相談したところ、津市南中央の菩提寺の尼僧・旭地了寛師が北海道へ渡ることとなり、厳しい生活に耐えながら托鉢を続け、同年末に草庵を建立した。同33年には四天王寺の末寺として、寺号認定を受け、開山に天山師を迎えている。
平成6年の草庵建立から数えた100周年大法要には、現在の四天王寺東堂(前住職)である倉島昌行師を招いており、今も寺同士の交流は続いている。昨年9月にあった120周年大法要と山門の落慶法要にも隆行師を招いて盛大に開催。今回は、そのお礼の本寺参り。
本堂で一行を迎えた隆行師は「こうやって交流が続いていることに、法縁のありがたさと歴代の努力を感じる」と挨拶。四天王寺檀家との交流会で一行は、手厚いもてなしを受けた。
2015年2月5日 AM 4:57
2月15日12時~15時頃まで(受付11時半~各県別に)、津市新町のプラザ洞津で行われる県内在住の九州7県(福岡・長崎・佐賀・大分・宮崎・熊本・鹿児島)出身者たちによる「三重九州人会」=津田能成会長=の平成27年度総会が行われる。
同会は前述の通り、三重県内に暮らす九州出身者だけでなく、家族が九州出身であるなど九州ゆかりの人たちも入会している。総会後には懇親会もあり、各県のお国言葉が飛び交う楽しい雰囲気。遠く離れた故郷の話を肴に九州人同士の絆を深める場として毎年、多数の参加者たちで盛り上がっている。カラオケやビンゴゲームもある。
総会の出席者を募集中。会費は7000円(年会費1000円含む)。当日の出席も歓迎。新規入会希望なども気軽に問い合わせを。
問い合わせや参加申し込みは事務局の田中孝志さん☎&FAX059・293・5871へ。
2015年2月5日 AM 4:57