先月、NPO法人『アトリオ』=津市久居元町・山口友美理事長=が文部科学省の「平成26年度キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰」を三重県内のNPO法人で初めて受賞した。同法人は、県内の学生を対象としたインターンシップなどを通じ、〝働く〟ために必要な経験を提供。学校・企業・地域をつなぐコーディネーターとしてのキャリア教育推進への寄与が評価されての受賞となった。

 

 『幸せな仕事をしている人でいっぱいの三重をつくる!』をスローガンに掲げるアトリオは、平成24年度より三重県教育委員会の業務委託でキャリア教育推進に向けた学校と受け入れ先となる事業所や経済団体などをつなぐコーディネーターとして活躍している。
 今回の表彰は、文部科学省がキャリア教育の充実発展に尽力し、顕著な功績がある教育委員会・学校・PTA・団体などに対して、その功績を称えるもの。しかし、ほとんどの受賞が学校が対象でNPO法人は全国的にも珍しい。

 

 

表彰を喜ぶア・トリオスタッフ(右から2人目が山口理事長)

表彰を喜ぶアトリオスタッフ(右から2人目が山口理事長)

 評価を受けたのはまず、同法人が県教委・県内大学・企業・県子ども家庭局・県雇用経済部と共に始めた三重県広域公募型のキャリア教育コーディネート事業「三重チャレ」。この事業では2種類のプログラムを行っており、1つは小中高生向けの「しごと密着プログラム」。子供たちが地域の事業所で働く人に約半日密着し、「仕事に対する姿勢」や「職場の様子」などを観察することで働くことについて考える。ここでは仕事そのものを体験するのではなく、働く人を間近で観察し、仕事に対する思いなどを直接聞くことで、将来の夢や進路について考えるきっかけにしてもらうことを目的としている。
 もう一方の「高校生インターンシッププログラム」は県内の公立・私立高校の生徒が自分で受け入れ先の事業者を選び、同法人に申し込む。インターンシップを実施していない学校でも自由に参加でき、事前研修では企業研修や目標設定、ビジネスマナーを学べるというもの。そのほかにも、高校生を対象にした就職支援セミナーやキャリア教育支援協議会への参画も表彰の理由になっている。
 ニートや早期離職する若者の増加は深刻化しており社会に出て生き抜く力を育むキャリア教育の推進に文科省も力を入れている。しかし、現場の教師たちは従来の職務だけでも多忙を極めており、子供たちに充分なキャリア教育を行うことは相当な重荷になっているのも事実である。そのため学校間で取り組みの内容に差が出てしまっている。
 そういう意味では県内全域をカバーし、全ての子供たちが質の高いキャリア教育を受けられる機会を与えている同法人が果たす役割は非常に大きいといえる。
 高校を卒業した学生の県外流出も問題になる中、次代を担う若者たちに県内の企業の素晴らしさを伝えるきっかけにも繋がる同法人の取組みは地域活性化にも必要不可欠といえる。今後も学校・企業・地域をつなぐ同法人の更なる活躍に期待が集まっている。

快挙を喜ぶ山下さん(右)と西山さん(左)

快挙を喜ぶ山下さん(右)と西山さん(左)

 1月18日、イタリアのロマーニャ州リミニで開催された『シジェップ』(ジェラート・菓子・製パンの国際見本市)の中の大会「ペイストリー&シェフ インターナショナルフェスティバル」に日本代表として、東洋軒スタッフの山下真吾さん(40)と西山真保さん(23)が出場。技術と芸術性の高さや、食文化交流への貢献が評価され、表彰状とメダルが授与された。
 大会にはイタリア・ロシア・ブラジルなど全7カ国が出場。必要な食材の一部が届かなかったり、調理器具の不調といった海外遠征ならではのトラブルが発生し、当初、予定していたものが作れなかったにも関わらず、2人は見事な作品で〝日本〟を表現した。
 日本代表の重圧をはねのけ、快挙を成し遂げた二人。山下さんは「各国出場者の真剣な取り組みと、それぞれ特徴のある菓子づくりに感銘を受けた」、西山さんは「他国の文化にふれるというかけがえのない体験が出来た」と感想を語った。

岡本会頭や厄年の人、津クイーンらによる福豆まき

岡本会頭や厄年の人、津クイーンらによる福豆まき

 

津西幼稚園の年長児による豆まき

津西幼稚園の年長児による豆まき

3日、津市大門の津観音こと恵日山観音寺で恒例の『鬼押さえ節分会』があり4回にわたって福豆まきが行われた。
 これは江戸時代、多くの旅人たちで賑わう伊勢参宮街道の春の風物詩として知られた奇祭。
 かつては、侍役の厄男が鬼役を真剣で斬りつけ邪を払うという激しい内容だったため、毎回死傷者が絶えず明治時代に中止へ。長らく途絶えていたのを地域の活性化などを目的に平成9年に復活させたもの。穏やかな晴天に恵まれた当日は本堂横の特設舞台前で家族連れなど『福』を求める人々でいっぱいに。そこに津商工会議所青年部と津青年会議所会員が扮する侍と鬼の寸劇で、かつての祭の姿を再現し、観客を沸かせた。
 その後、岡本直之津商議所会頭・津クイーン、厄年の人らがステージから「鬼は外!福は内!」のかけ声に合わせて勢い良く福豆まき。人々は、厄よけや幸運を願いながら手を伸ばして宙を飛び交う『福』をつかみ取っていた。
 また、この日、境内で、津市内の4つのロータリークラブ(津・津南・津北・久居)が合同で、市民に広く同クラブを知ってもらうためのイベント『豆まき・ふれあいロータリーデー』を初めて開催した。協力=津観音。
 当日は4クラブから計128名が参加。ブースを設置し、クラブの活動をパネル展示で紹介した。
 さらに、特設舞台で津西幼稚園の年長児98名による豆まきを実施。園児達は元気良く豆をまいて会場を盛り上げた。
 津ロータリークラブの岩鶴密雄会長は、園児の豆まきについて「青少年育成が目的です。未来を担う子供達と、イベント参加者に触れ合ってもらおうと企画しました」と話した。 

[ 1 / 6 ページ ]12345...Last »